

天山悲壮決意 「G1出場これが最後だ!」
新日本プロレス真夏の祭典「G1クライマックス」(18日、札幌で開幕)に21度目の出場を果たす猛牛・天山広吉(45)が13日、最後のG1にかける悲壮な決意を明かした。盟友・小島聡(45)からの出場権譲渡が議論を呼び“渦中の男”となった天山だが、批判の声を全て受け止めた上で集大成の夏に挑む。
天山は6月に発表された出場選手から落選して猛抗議。この気持ちをくんだ小島が、自身の出場権を譲渡する前代未聞の過程を経て出場が決まった。
この日、天山はその小島とともに公開練習を敢行した。天山がモンゴリアンチョップ、アナコンダバイスを繰り出せば、小島も必殺の剛腕ラリアートを発射するなど、実戦さながらのスパーリングを展開。酷暑の道場でどちらかが脱水症状でも起こしたら一大事…と報道陣が心配するほど激しい内容だった。
練習後2人はガッチリと握手。「コジ、ありがとう。いろいろ迷惑かけてすまん」と頭を下げた天山に対し、小島は「誰にも謝る必要はない。その代わり、天山広吉をリング上で全てさらけ出してください」とエールを送った。
選手間同士による出場権譲渡には否定的な声も上がっており、もちろん天山の耳にも入っていた。それでも「バッシングというかね。許せないとか、それでいいのかとか…。言われても仕方ない。でもこうして決まったからには、批判も受け止めて、ひっくり返すような戦いを見せるしかない」と、全ての答えはリングの上で出すつもりだ。
その覚悟は「今回が最後のG1」との言葉に集約されている。「どういう結果になっても最後だと思ってる。優勝したとしても(来年1月4日))東京ドームの権利証とか考えてない。G1はドームに向けてのものでもないしね。無理やり出たようなモンだし、それこそ来年のことなんて考えてないですよ。とにかく集大成というか、今までやってきた戦いを魂を込めてしっかり見せたい」
盟友の思いはしっかりと背負った。10年ぶり4度目のVに向けて全ての退路を断ち切り、明日への打算も捨てた。見苦しいまでに純粋なG1への思いに突き動かされ、天山最後の夏が幕を開ける。
【関連記事】
