夜明けのすべて

starbro
瀬尾 まいこ、3作目です。水鈴社創立初の単行本とのこと、どおりで初めての出版社の本でした。本書は、本屋大賞受賞後第一作、PMS×パニック障害×Queenの優しい物語でした。著者もパニック障害を発症したことがあるようです。物語は、夜明け前で終了したので、続編もありそうです。 https://ddnavi.com/review/693424/a/
2020/11/14
よつば
物語に登場するPMSの美紗、パニック障害の山添、二人が働く栗田金属の社長、従業員、山添の元上司、登場人物達のそれと分からない時間差で訪れる本当の優しさに何度も目頭が熱くなる。外から見ただけじゃ、その人が抱えている辛い病気や悩みは解らない。想像力と自分以外の誰かを大切にしたい、喜ばせたいと言う気持ちが文中から溢れ、心が柔らかく解れる様な読書体験だった。美紗と山添、其々のお節介を通り越した強引な行動にすら感動する。美紗の天然ぶりに爆笑し、山添君が笑うと私も嬉しくなる。皆の笑顔が浮かんで来る様な心の処方箋小説。
2020/11/17
ガチャ
PMSの藤沢さんとパニック障害の山添くん。2人の関係は、ただの同僚。だけど、お互いの病のことを知ってから、急速に距離が縮まる。誰かが寄り添ってくれると言うことに救われますね。仲が良くなくても助けることはできるらしい。言ってくれればいいのに!は、その立場にいない人間の勝手な言い分でした。PMSも、パニック障害も何も知識はなかったですが、こういう病気で苦しんでる人がいると言う認識は必要。何ができるわけではないけど、少しでも理解してあげられるように、思いやりを持てる人間になりたいなと思いました。
2020/11/20
美紀ちゃん
PMS→月経前症候群。怒りが爆発して治らなくなる。そんな病気の藤沢美紗と、 パニック障害を抱えた山添くん。発作が怖い。だからずっと1人でいたい。でも、藤沢さんに何度か笑わされたし、発作を忘れる時間を与えてもらった。全てから切り離された場所にいるわけではない。完全な孤独などこの世の中には存在しないはず。「好きではなく、好きになることができる。」可能形。社長はとてもいい人。素敵。自転車って、どこまででも行ける気がして、強くなれるツールだよね。2人が巡り合えて良かった。自然な気持ちで、ずっと一緒にいられるはず。
2020/10/30
mayu
PMSでイライラのコントロールができないことに悩む美紗とパニック障害の山添君。どちらの病気も目には見えないものだから理解されにくいけど苦しい。初めは自分のことで精一杯だった二人が、だんだんお互いのために行動するようになって、自分を取り繕わず素直に出せる相手がいることにまた救われる。夕日は朝日になるし、今の自分でも出来ることがある。明日は何をしよう。そう思えることは幸せだ。狭まっていた世界が少しずつ広がっていく。二人の夜明けはもうすぐそこ。
2020/11/08
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