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 BY砲がAMAに勝利!11人タッグマッチも実現

『スターダム~OSAKA 2nd RING~』
◆8月7日(日)大阪ミナミ ムーブ・オン アリーナ(18:00)
観衆272人(超満員札止め)

▼オープニング

▼20分1本勝負
 夏樹☆たいよう(12分2秒/ムーンサルトプレス→エビ固め)鹿島沙希

 大阪初参戦となる鹿島がデビュー前のエキシビションマッチ以来となる夏樹と対戦。スピード、グラウンドと必死に食らいついてく鹿島だったが、体重の乗ったドロップキックを連発されて動きが止まる。逆エビ固めに耐え、クリスト、羽根折り固め、ドロップキック、フェースクラッシャー、さらにしじみを決めるも、夏樹を追い込むことができず、ソバット、ミサイルキック、ムーンサルトプレスに沈んだ。

▼キッズ・ファイト~夢のプロレス物語in大阪3分1本勝負
 夢(時間切れ引き分け)くいしんぼう仮面

 前回のえべっさんに続き、今回も大阪プロレスの選手と対戦。握手を求めるくいしんぼうに蹴りを見舞い、セコンドでうるさい松山勘十郎には張り手を浴びせた。くいしんぼうを蹴り倒した夢は、キャメルクラッチの体勢で鼻フック。さらにアームドラッグ、619、シャイニング式の側頭部蹴りと攻め立てたが、ダイビングクロスボディアタックはキャッチされてしまう。バックブリーカーで落とすと、客席からはブーイングが飛んだ。開き直ったくいしんぼうはリングサイドカメラマンにナックルを見舞う暴挙。さらに夢をコーナーに振ると、バーブレフェリーを夢にぶつけようとする。しかし、バーブレフェリーは夢を軸にUターン。くいしんぼうにコルバタを決めてしまった。すかさず夢がドリームキックを放つもカウント2。夢が卍固めを決めたところで時間切れのゴングが鳴った。試合後は夢と握手をかわしたくいしんぼうだが、退場時に再びカメラマンにナックルを見舞っていた。

▼30分1本勝負
 ○世IV虎&山縣優(16分22秒/ネックハンギングボム→エビ固め)高橋奈苗&●須佐え

 夏樹がセコンドに付き、トラブルメーカー2は3人で入場。山縣はK-DOJOを退団し、フリーになって初の試合となる。奈苗は奪取したばかりの赤いベルトを肩にかけてリングに上がった。先発で山縣と奈苗がじっくりとやり合うも、世IV虎が介入してトラブルメーカー2が連係でペースを握る。エプロンに張り付けて左右から踏みつけると、夏樹も手を出し、奈苗に一撃加えた。怒った奈苗が世IV虎の髪の毛を掴んで流れを変え、チェンジした須佐がドロップキックを連発。奈苗とのダブルドロップキック、さらに女子高生固めも決めたが、カットに入った山縣の強烈な張り手を胸元に食らった。ローンバトルを強いられた須佐だが、山縣にDDTを決めて自力で脱出。タッチをかわした奈苗がクロスボディアタックで2人まとめてなぎ倒し、山縣を足4の字固めで、世IV虎をアルバトロスを同時に絞めあげる。山縣の延髄斬りから世IV虎が串刺しラリアットを連発。奈苗も世IV虎へのラリアット一発で流れを呼び戻し、串刺しラリアット、バックドロップ、冷蔵庫爆弾を見舞った。しかし、世IV虎が須佐をリフトアップから投げ捨てると、山縣が奈苗を倒れた須佐の上にたたきつけ、世IV虎はセントーンを落とす。ここでカウント3は奪えず、奈苗の延髄斬り、須佐のスイング式首固めでヒヤリとさせられたが、山縣が奈苗を場外に落として須佐を孤立させ、世IV虎がチンクラッシャー、ネックハンギングボムで終わらせた。

▼K-ちゃんパンダインタビュー

 休憩明けのインタビューは世IV虎が登場。東京を上回る大きな歓声が飛ぶ中、風香GMにより「○○○○○○から1年」と早くも暴露され、日記が3冊目に突入したことや、クッキーやケーキを焼いていることなど次々に明かされ、世IV虎の表情が崩れていく。18歳になったことについては「夜11時以降に外出しても補導されない」と相変わらずのコメントだったが、夜中に外出してやりたいことは「コンビニの前でトランプ」と答えた。最後は花の髪飾りを渡される。東京では「会いたかった」を踊ったが、今回は「ヘビーローテーション」のダンスを披露。「(夢は)ナンバー1、アイドルレスラーだよ!」と絶叫した。

▼BY対AMAスターダム・スーパーアイドル・サミット30分1本勝負
 ○愛川ゆず季&美闘陽子(10分33秒/ラ・ゆずヒストラル)星輝ありさ&●岩谷麻優

 スターダムで活性化してきたタッグ戦線のアイドル対決。奈苗、夏樹のいないメインイベントは旗揚げ戦以来となる。選手コールで愛川は後楽園で話題を独占したグラビアポーズを見せた。先発は美闘と岩谷。美闘が重い蹴りで一方的に攻めると、愛川も加わったダブルのミドルキック。美闘が逆エビ固め、愛川がキャメルクラッチを決め、2人でポージング。愛川も蹴りで攻め立て、首4の字固めで絞め上げる。助けに入った星輝も愛川に首4の字。そのままうつ伏せにして愛川の顔面をマットにたたきつけたが、愛川に捕まったままの岩谷にもダメージを与えてしまった。女-AMA-は愛川を2人で変形の卍固めに捕らえると「AMA固め!」とポーズ。さらに星輝が岩谷を担いで振り回し、合体619を決めた。愛川が長い時間捕まったが、美闘に代わると星輝にヒザ蹴り、手刀を浴びせ、女-AMA-をまとめてブレーンバスターで投げる。しかし、星輝がキャッチ式延髄斬りで反撃。岩谷がランニングネックブリーカーで続いたが、美闘が岩谷にハイキック、ジャーマン。さらに愛川と2人でハイキックを見舞った。グロッギーとなった岩谷を星輝が自軍コーナーに引きずりタッチをかわす。愛川にニードロップ、ハイキックを決めながらも、STFに捕まり、ゆずポンキック・ブルー、フィッシャーマンズスープレックスを食らったが、ブラジリアンキック一発で流れを変え、再び岩谷とチェンジ。岩谷は愛川をダブルリストアームサルトで投げた。美闘のミサイルキック、美闘が愛川を抱えあげた合体ゆずポンキック・レッドで劣勢を強いられるも、星輝が助けに入り、愛川にミドル、ハイとコンビネーションキックを決める。さらに1399も決めたが、岩谷のダイビングクロスボディアタックは愛川がミドルキックで迎撃し、ラ・ゆずヒストラルでフォール。岩谷はキックアウトするも、レフェリーのカウント3が先に入り、BY砲の勝利で終わった。

 岩谷がマイクを持つ。「大阪の人たちに女-AMA-が勝つところを見せたかった。こんなんじゃ東京に帰れません。もう1試合やりましょう!」。これに愛川が「スターダムで一番スタミナのない麻優ちゃん、ヘロヘロでもう1試合なんてできるんですか?」と言い返したが、奈苗がしゃしゃり出てきて「いいじゃん、いいじゃん。もう1試合やろうよ」とあおり立てる。愛川は「関係ないでしょ」と追い払おうとしたが、星輝が「選手みんな呼んでもう1試合やろう」と号令。全選手がリングに上がった。岩谷が「スターダムには若い人がいっぱいいるので、10代以下と20代以上のおばさんに分かれて戦いましょう」と提案。世IV虎は山縣&夏樹と別チームになることに戸惑いながらも10代チームへ。5分休憩の後に試合が行われることがアナウンスされると、選手たちは「作戦会議だ!」と慌てて控え室に戻っていった。

▼ボーナスマッチ10分1本勝負
 高橋奈苗&山縣優&夏樹☆たいよう&愛川ゆず季&美闘陽子(時間切れ引き分け)世IV虎&星輝ありさ&岩谷麻優&須佐えり&鹿島沙希&夢

 後から入場したアダルトチームはパッショントレインでリングイン。ヤングチームは「私が相手してやる」という表情で夢が前に出る。しかし、他の選手が襲いかかって試合開始。まずはヤングチームが美闘にトレイン攻撃を決め、女-AMA-がAMA固め。その周りを他のヤング選手が囲んでポーズを決める。美闘が夢にローキックを放つとブーイング。構わずに夏樹も鼻フックで痛ぶり、クロスボディアタックをキャッチして投げ捨てた。アダルトチームが全員で夢を踏みつけると、ヤングチームもリングになだれ込み、夏樹を攻め立てる。しかし、岩谷が夏樹を羽交い締めにすると、世IV虎は攻撃の手を止め、岩谷にエルボーを放ってしまった。夏樹&山縣が世IV虎に右手を差し出したが、握手はせずに2人で世IV虎に蹴りを見舞う。世IV虎が奈苗を羽交い締めにすると、ヤングチームがトレイン攻撃。しかし、岩谷だけキックで迎撃され、2周目は世IV虎との同士討ちを誘われてしまう。岩谷に奈苗&夏樹がパッション・レッドの連係攻撃。さらに5人でパッショントレインで攻めた。岩谷は山縣を首固めで丸め込んで反撃。鹿島が串刺しドロップキック、フェースクラッシャー、ドロップキックと攻め込む。星輝と愛川が蹴りを打ち合い、星輝が岩谷を担いで合体619で振り回すも、愛川がことごとくかわす。星輝は「もう!」と岩谷を乱暴に放り投げ、再び蹴りを愛川に放っていった。須佐に愛川がゆずポンキック・ブルー、美闘が串刺しジャンピングニーを浴びせると、アダルトチーム5人が須佐を囲んで1人ずつゆずポンキック・レッド。さらに5人で同時に浴びせた。世IV虎が出てくると、因縁の美闘へ一直線。首根っこを捕まえてコーナーまで詰め寄る。美闘のローキックに世IV虎はラリアットで反撃。奈苗が山縣をカニ挟みで倒して世IV虎へのボディプレスにすると、さらに奈苗は夏樹をコーナーに上った美闘に渡す。美闘は夏樹を世IV虎の上に投げ落とし、ミサイルキックで飛んだ。6人が入り乱れ、夢を除くヤングチーム選手が世IV虎の背中に飛び乗って美闘に合体ボディプレス。さらに世IV虎がセントーンを落とすと、レフェリーが3カウントをたたいた。しかし、その前に時間切れのゴングが鳴らされていた。この日のゴングは調子が悪く、音が小さかったため世IV虎への声援にかき消されてしまっていたのだ。当然、選手たちは納得がいかないと延長戦を要求。さらに1分間戦いが続くことになった。

▼延長戦1分1本勝負
 高橋奈苗&山縣優&夏樹☆たいよう&愛川ゆず季&美闘陽子(時間切れ引き分け)世IV虎&星輝ありさ&岩谷麻優&須佐えり&鹿島沙希&夢

 ゴングを待ちきれずに11人が5カ所に分かれて戦いを始める。奈苗と世IV虎、愛川と須佐、夏樹と鹿島、山縣と岩谷、美闘と星輝&夢の組み合わせ。愛川が須佐にゆずポンキック・ブルーを見舞うと、夏樹の号令でアダルトチームはコーナーからの攻撃へ。夏樹、山縣とがダイビングボディプレスで飛んだが、奈苗の冷蔵庫爆弾は須佐がかわしたため自爆。ここで1分終了のゴングが鳴った。

 再び客席から延長コールが起こったが、奈苗が「あと何回でもやりたいところですが、後楽園大会でも延長料金がかかってスターダムも大変なんで、中途半端なんですけど、ここら辺でいいでしょうか。すみません。納得はいかないんですけど、お前ら大人をなめるんじゃねえぞ!」とヤングチームをにらむ。世IV虎が「大人じゃなくて、クソババァだろ?」と言い返すと髪の毛をつかみ合う。選手たちが止めに入る中、2人を無視するように「はいはい、じゃあ私が締めます」と愛川がマイクを持ち「今日はありがとうございます。今年もう一回大阪に来ることが決まりました。その時も応援よろしくお願いします」と挨拶。全員で「いまを信じて、明日に輝け、We are スターダム!」とSポーズを決めたが、最後はカメラの前に押し寄せ、全員が奈苗を踏みつけながら写真に収まった。

★バックステージコメント

 愛川「またまたBYが勢いづきました。女-AMA-とはスタイルや雰囲気も似てるので戸惑わされた部分もありましたが、もっともっとBYで勝ち進んでいきたいなって思いました」。
 美闘「最後にゆずポンが勝って締めてくれたので嬉しいです。会見でおばさんタッグって言われてムカついていて、やってやろうと思っていたので、本当に勝ててよかったです」。
 ──王者として大阪に来たが?
 愛川「そうですね。大阪のみなさんは温かいので、ベルトを持ってこられて嬉しかったです」。
 ──次に対戦する奈苗&イオからKYと言われているが?
 美闘「奈苗さんの方がKYですよね」。
 愛川「奈苗さんはネーミングセンスがないので。私たちはBYでやっていきます。高橋選手はちょいちょいそこをいじりたくなるみたいですけど、それに負けず勝ち進んでいきたいなって思います」。

 岩谷「あれは返していたはずです」。
 星輝「納得いかないよね」。
 岩谷「どこが3カウント入ってたの?って感じですけど。ガッツリ負けたならあれだけど。今日の3カウントは納得いかないし。あれは負けじゃないですね、ありえない」。
 星輝「悔しい。もう一回リベンジしたいくらい」。
 岩谷「次は絶対に勝つと思います」。
 ──秋にタッグリーグ戦があるが?
 星輝「そこで結果を残したいです。あんなのに負けたくない」。
 岩谷「スターダムのタッグで最強になりたいですね」。
 星輝「ここのチームは2人で1つ、最強なので」。

 奈苗が赤いベルト、愛川が白いベルト、夏樹がハイスピードを奪取

『STARDOM X STARDOM2011~高橋奈苗デビュー15周年記念試合~』
◆7月24日(日)東京・後楽園ホール(12:00)
観衆1310人(満員)

▼選手入場式&奈苗15周年セレモニー

 初進出の後楽園でも恒例のダンスパフォーマンスで大会はスタート。キッズダンサーを加えた特別バージョンで盛り上げる。風香GMがリングに上がり「選手を引退してGMとして思ったよりも早くここに帰ってくることができました。これも選手の皆さん、スタッフの皆さん、ファンの皆さん。皆さんのおかげだと思っています。本当にありがとうございます。今日はスターダムとして一つの集大成として選手も気合いが入っているので期待してください。今日は楽しんでいってください」と挨拶。選手入場式に続き、高橋奈苗のデビュー15周年セレモニーが始まる。

 全女、フリー、SUN、パッション・レッド、そしてスターダムへと続く15年間が凝縮された映像がスクリーンに映し出され、少し照れたような表情の奈苗に、スターダム代表として愛川がひざまづいて花束を贈る。

 代わってリングへと呼び込まれたのは奈苗と熱い時代を共に戦った全女時代の同志、中西百重さん、脇澤美穂、納見佳容さんの3人。場内には4人で歌ったキッスの世界『バクバクKiss』が流れ、ダンスを披露して場内がどよめきに包まれる。ダンスを終えると、まず脇沢が「奈苗さん15周年おめでとうございます。私もスターダムのメンバーになって、早くプロレスがやりたいです。よろしくお願いします」とコメント。納見さんが「懐かしい映像が流れて泣きそうになりました。皆さん、高橋奈苗選手をこれからもよろしくお願いします」とエールを送ると、中西さんは「私たちこの4人で仲間として……10年前の話になりますが、頑張ってきた4人です。知ってる人いますか?」とちょっと弱気に客席に質問する。もちろん「知っているよ」とばかりに大きな拍手が帰ってくると「15周年というこの日を迎えられて、仲間として涙が流れそうです。懐かしく思います。ナナちゃんのこと、これからもよろしくお願いします」と語った。

 中西さんは夏樹を呼び込み「夏樹は私が現役時代、ずっと応援してくれてたんです。今日はベルトの試合が行われるということで応援しにきました。せっかくなので私が現役自体に着ていた(引退試合で着用の)コスチュームとテーマ曲をあげたいと思います」と、ハイスピード王座に挑戦する夏樹に大きなプレゼント。大喜びの夏樹に「勝ってほしい。頑張って」と力を込めた。

 さらに大先輩の前川久美子さんと堀田祐美子が登場。最後にWWWAシングル王座のベルトを奈苗と争った前川は「15周年おめでとうございます。奈苗の嫌いな前川です」と語って笑いを取り「今この時代、後楽園にこれだけお客さんを呼べるのは奈苗の実力だと思っているので、今後も頑張ってほしいと思っています。皆さん応援よろしくお願いします」と観客へかわいい後輩を託す。堀田は「おめでとう。でもなんで歌のときに呼んでくれなかったの? 私がいないとヤバイよね!」と言い放つも「私もみんなでこうやってリングに上がれることを光栄に思います。奈苗選手、私が一番認めてる選手です。今後も女子プロレスを引っ張ってくれるし、支えてくれると思います。私もレイナとして盛り上げていくので、一緒に盛り上げていこう」と切磋琢磨を誓った。

 最後に奈苗が「本日はスターダム初の後楽園大会にこんなにたくさんの皆さんにお越しいただき、本当にありがとうございます。私がこうやって15周年記念試合をスターダムという団体で迎えられるのも決まった運命の中で起きていることだと思います。今日ここに来ている皆さんとプロレスを心から楽しみたいと思っているので、皆さんも声援で一緒に戦ってスターダムを盛り上げてください」と呼びかけた。

▼スターダム・ティーンズファイト20分1本勝負
 星輝ありさ&○岩谷麻優(9分44秒/ダイビングボディアタック→片エビ固め)●須佐えり&鹿島沙希

 星輝&岩谷の新タッグチーム「女-AMA-」はタッグ用の新しいコスチューム、テーマ曲、ダンスで入場。オープニングから会場を盛り上げる。まず、未勝利対決を行ったばかりの2人がエルボーの打ちあい。腕の取りあいでは岩谷がヘッドスプリングを決めるも、須佐が蹴りで潰した。力のこもったエルボー、張り手で気持ちをぶつけあい、岩谷がチェンジ。星輝は須佐をコーナー下に座らせて蹴りを連発し、岩谷も加わって2人で踏みつけた。須佐はドロップキック連発で反撃。岩谷がコルバタを決めれば、鹿島はしじみで3カウント寸前まで追い込む。さらに羽根折り固めで絞め上げる。AMAはミスがありながらも、次々と合体攻撃を繰り出してチームらしい動きを見せる。星輝がカウンターの延髄斬りを須佐に決め、岩谷がネックブリーカー。動きが止まった須佐を星輝がダブルアームで持ち上げ、岩谷の上に落としていった。須佐はスイング式DDTの形で首固め。初勝利をあげた技を岩谷に決めるもカウント2。カットに入った星輝のブラジリアンキックを顔面に食らってしまった。岩谷がダブルリストアームサルトで投げ、星輝が1399。立ち上がるのを待ち、岩谷がクロスボディアタックで3カウント奪取。初勝利を許した因縁の相手から星を取り返し、岩谷もようやく初勝利を味わった。

★星輝&岩谷のコメント

 ――初勝利おめでとうございます。
 岩谷「ありがとうございます! 本当に嬉しい! シングルじゃダメだったかもしれないし、自分に弱気になったかもしれないけど。ありさがいてくれたから返されなかったかもしれないし、ありさがいたから弱気にならなかったかもしれない。本当に嬉しいです。ヤバイ! 自分の夢が試合が終わってカンカンカンって(ゴングが)鳴った後に自分のテーマ曲が流れてくるのが、夢っていうかすごく想像しちゃって。それが今日できたのが本当に嬉しくて。本当に最高です。本当に最高です!ほんとにほんとにありがとうございます」
 星輝「私も麻優ちゃんがいなかったら返せなかったかもしれないし、本当に2人で1つって感じで。パートナーがいるから頑張れる。本当に頑張れる。超頑張れるってところまで行くんですよ。だからタッグを組んで良かったと思うし、初タッグで、しかも後楽園っていう大きな舞台で勝利できて本当に嬉しいです。私たちまだ細いんで、もっともっと大きくなって、それで説得力をもっと出して行って。それで絶対にこれが出たら2人の勝ちだってところになるまで、もっとレベルアップしていきたいです」

★須佐&鹿島のコメント

 須佐「もうめっちゃ悔しい。やっと26日の試合で勝てたのに、やっと勝てたのに、こんなにも簡単に敗れるのが悔しいし、すごい星輝からフォール取れなかったのも凄い悔しいし、でも、星輝からは取れなかったけど、岩谷の今回の勝利は星輝の二人での勝利だから。私は絶対に岩谷の勝利とは認めません」
 鹿島「向こうはタッグチームって正式に決定していて、こっちは決定してないんですけど、すごい団結とかしてるつもり。団結してたし自分らからしたら。でも向こうは連携とか凄い使ってきて、そういう面では負けてしまったと思うんですけど。でも、さっきえりが言ったとおりタッグ、岩谷とシングルで勝ったのはえりなので、岩谷に負けた気はしてないです」

▼キッズ・ファイト~夢のプロレス物語・夏休み編~3分間
 夢(時間切れ引き分け)ケニー・オメガ

 「男子が相手でも後楽園だから負けるわけにいかない」とリングに上がった夢。序盤から容赦ないオメガの攻撃を食らったが、スイングDDTやスイングヘッドシザースで吹っ飛ばすなど、持ち前の身軽さで応戦する。しかし、シュミット式のバックブリーカーで動きが止まり、コーナーに思い切り顔をぶつけられると半泣き状態に。オメガはリフトアップして場外に投げ捨てようとしたが、これはバーブレフェリーが体を張って阻止した。夢はスイングDDTに切り返し、プランチャで場外に飛ぶ。さらに封印していたドリームキックを放ったが、オメガの「ストップ!」から強烈な延髄斬りを浴びてしまった。オメガがフィニッシュを狙ってクロイツ・ラスの体勢へ。場内から悲鳴が上がったが、投げる寸前で風香リングアナがゴングを鳴らし、時間切れ引き分けに終わった。

★夢のコメント

 「最初は怖かったです。すごい激しくて。最後にやられちゃうと思いました。次もちょっと戦ってみたいと思います」
 ――もっと時間があったら試したかったことはある?
 「時間があったら新しい技とかを出したかったです。次も絶対に、誰か分からないけど勝ちたいと思います」

★ケニーのコメント

 「クロイツ・ラス、僕のフィニッシュでしょ? 行こうとしてる時に、急にゴング来ましたよ? えー!? うおー! まあ、でも、オチツイテ、オチツイテケニー、大丈夫。今日の試合は楽しかった。スターダム、大好き。お客さん来てくれてありがとう。僕の試合、見てくれてありがとう。女子が大好きです。じゃあ、またね」

▼ワールド・オブ・スターダム王座決定トーナメント1回戦30分1本勝負
 美闘陽子(9分10秒/ハイキック→エビ固め)長野美香

 美闘がローキックでけん制し、長野がタックルを狙う。美闘の「蹴ってこい!」という挑発で長野も蹴りで反撃するが、美闘の蹴り足をキャッチしてグラウンドに引きずり込む。足関節を決めていくと、美闘も切り返して逆エビ固め、キャメルクラッチ。しかし、グラウンドではやはり長野が優勢だった。首、腕、足を次々と絞めあげ、美闘を苦しめていく。さらに長野のジャーマンを浴びた美闘は防戦一方。ダブルアーム式フェースバスターでたたきつけられた。しかし、二段蹴りを顔面に見舞って反撃開始。串刺しニーアタックを決め、ドールBはかわされても、飛び付き式腕ひしぎ逆十字固めは許さず、そのまま力で持ちあげて前に投げ捨てると、最後は左、右とハイキックをたたき込んで3カウントを奪った。

★長野のコメント

 ――試合の感想を
 「耐える事に必死で、最後とかハイキックとかもらって一瞬意識飛んじゃったんですけど、それでスリーカウントされて、すごい悔しいです」
 ――リベンジは
 「リベンジはもう1回リベンジしたいです。負けたままじゃ嫌なので、勝ちたいです」
 ――次は?
 「今度こそは意地というか関節技バシッと決めるように練習して鍛えなおしてきたいと思います。ありがとうございました」

▼ワールド・オブ・スターダム王座決定トーナメント1回戦30分1本勝負
 高橋奈苗(12分21秒/ナナラッカ→エビ固め)“ラティーナ・センセーション”メルセデス・マルチネス

 15周年記念試合となる奈苗は新ガウン&コスチュームでリングに上がる。ショルダータックルの打ち合いはほぼ互角だったが、エルボー、逆水平チョップは顔をゆがめがらも打ち返した。スピードの乗ったショルダータックルで倒し、ミサイルキックを放つも、スパインバスターでたたきつけられ、リバースフルネルソン、串刺しのトラースキックと劣勢となる。しかし、エプロンのマルチネスにロープ上からラリアットを放ち、さらに久しぶりとなるトペを放った。これでペースを取り戻したかに見えたが、エプロンで場外のマルチネスにつかまり、場外へのパワーボムを食らってしまう。グロッギーとなった奈苗だが、首固めで流れを変えてワンセコンド。ネックスクリューで反撃され、カウンターのトラースキック、デスバレーボム、フィッシャーマンバスターと追い込まれたが、カウント2でサードロープに足をかけた奈苗は、ラリアットをかわしてストレッチボム。このチャンスを逃さずにナナラッカを決め、苦しみながらも一回戦突破を決めた。

★奈苗のコメント

 「一回戦きつかった……ここから勝負、こっから勝負! 私は負けるわけない。このトーナメント、赤いベルトは絶対に持つ。マルチネス強かったけど、私が勝ったんだから、私の方が強かったってこと。決勝? 美闘なんか目じゃねえよ。私の15周年、私が締めます」

▼ワンダー・オブ・スターダム王座決定戦30分1本勝負
 愛川ゆず季(11分47秒/ゆずポンキック・レッド→片エビ固め)世IV虎
※愛川が初代王者となる。

 ゴングと同時にショルダータックルで吹っ飛ばされた愛川。ヘアー投げの連発、コーナーで胸を踏みつけられ、正面エプロンではパイウオッシュを浴びる。これに怒った愛川がコーナーで世IV虎の胸元に蹴りを連発し、さらにお返しとばかりにコーナーで世IV虎を踏みつけていく。ヘッドシザースで絞めあげ、うつ伏せにしてマットに顔をたたきつけると、世IV虎がマウントエルボーで反撃。愛川も体勢を入れ替えて打ち返し、再び世IV虎がやり返した。世IV虎はチョーク攻撃からコーナーで串刺しラリアット連発、さらにダイビングセントーンを浴びせる。ラ・ゆずヒストラルは許さなかったが、ゆずポンスタナー、ゆずポンキック・ブルーを食らう。さらにフィッシャーマンズ・スープレックスで投げられた。しかし、ゆずポンキック・レッドは蹴り足をキャッチして逆片エビ固めへ。動けなくなった愛川をリング中央に引きずり、コーナー2段目からダイビングセントーン。「くたばれ!」と首を絞めた世IV虎に、愛川はローキックで反撃するも、リフトアップで軽々と投げ捨てられてしまう。さらにネックハンギングボムからダイビングセントーンを食らったが、すぐに転がりロープエスケープ。世IV虎がフィニッシュを狙ってコーナー最上段に上がったが、愛川は蹴りで撃墜して顔面を蹴り上げた。ゆずポンキック・レッドからラ・ゆずヒストラルはカウント2で返されたが、ハイキック、シャイニングゆザード、ハイキック、ゆずポンキック・ブルー、ゆずポンキック・レッドと畳み掛け、ついに3カウント奪取。デビュー9カ月で初めてベルトを腰に巻いた。

 愛川はグラビアポーズで記念撮影。マイクを持つと「ありがとうございました! 純白のこの白いベルトは私が一番似合うと思います! グラビアアイドルからプロレスデビューして、こうやってベルトを獲るのは遠い先だと思っていました。でも、こうやって現実に私の手に入ることが出来ました。プロレスは頑張って、頑張って努力すれば必ず報われると信じています。チャンピオンベルトと、胸の谷間と、最高の笑顔と言いたいところですけど、ちょっと汚い笑顔で後楽園を迎えることが出来ました!」と喜んだ。

★愛川のコメント

 「スターダムのタイトルマッチなんですけど、本当にギリギリのところでベルトを取ることができて勝つことができて、グラビアアイドルとして半年間戦ってきて、この結果につながってきていると思います。ありがとうござました」
 ――初めてのタイトルマッチの感想は?
 「本当に私の裏を見てくださった方は分かると思うんですけど、デビュー戦以上にベルトも懸かってますし、こんなに暑いのに鳥肌が立つぐらい緊張していて。プロレスを始めて、頑張って、頑張って、努力して。そしたら踏ん張れるんだって信じて。そして結果につながったので、プロレスは大好きだと感じました」
 ――世IV虎選手と対戦してみて?
 「すっとシリコンだとか偽乳だとかグラビアアイドルとしてナメやがってとか、ぶっ壊してやるとか言われてたんですけど。でも私の胸は本物だし。グラビアアイドルとして、グラレスラーの意地として笑顔で勝つことができたので本当によかったと思います」
 ――ベルトを巻いた感想は?
 「まだ巻いてなくて肩にかけただけなんですけど、重たいものなんだなって思いました。このベルトはできたばかりで、まだ知名度がないですけど、みんなに知ってもらって。赤のベルトより純白のベルトを『これがプロレスのベルトなんだ』って思ってもらえるように、私がこのベルトを広めていく役割もグラレスラーとしてやっていきたいと思います」
 ――世IV虎選手は「まだつけ狙う」と言ってましたが?
 「今日は紙一重で勝てたと私の中でも思ってますし、世IV虎選手はすごい選手だと思いますけど。今日はムーンサルトプレスを出そうとしていて、DDTの飯伏選手に教えてもらったと言ってましたけど。10代の子はちょっとやさしくされると勘違いしちゃって大変なんだなと。私は絶対にかわしてやろうと思って、プロレスを始める前からグラビアをやっている、そのキャリアも活かして勝ちたいと思っていました」
 ――次に対戦した相手は?
 「そうですね……スターダムには高橋奈苗選手というボスもいますし、美闘陽子ちゃんもタッグを組んでるけど、すごく強い選手だと思ってますんで。いつか戦えると思います」
 ――ご両親は?
 「試合を継続して後楽園や両国に出られるようになって、すごく応援してくれるようになったので。ベルトを取ったことも一番に報告したいし、いつか見に来てもらいたいなと思います」
 ――デビューして9カ月、プロレスで得た一番大きいものは?
 「こうやってみんなが応援してくれることです。大きいし、私ももっと努力しないといけないなと思えるので。こうやってマスコミさんの前で話をさせてもらって、自分の言葉が世の中にそのまま発信されるのもプロレスのおかげだと思いますし、そうやって自己表現ができるのが素晴らしいと思います」
 ――胸の肋軟骨は治った?
 「今日もまだで。すごい攻められたし、セントーンを食らった時点で心が折れそうになりました」

★世IV虎のコメント

 ――タイマン勝負負けてしまいましたが
 「もう本当、今日この世IV虎18周年に来て、自分の事応援してくださったファンの方に本当に申し訳ない気持ちでいっぱいなんですけど、申し訳ないっていうよりも、やっぱり相手に借りを作ってしまったので、あのベルトは自分にしか似合わないと思うし、これからも自分は愛川のことを付け狙っていきますよ。で、あのベルト、自分が巻くのが仁義だというもんだと思うんで、自分があれを奪います。そのためにこれから毎回付け狙うから。あいつには用心しとけって感じですね」
 ――ライバルとして認めたと
 「負けは負けで、今日自分が負けてしまったのは、技術なんで。やっぱそれは、ちゃんと自分で認めないといけないし。まあ今後、あのベルトを自分が愛川から奪うのが、仁義ってもんなんじゃないかと思うんで。自分はライバルっていうか、あいつがベルトを持ってるからアイツの事を付けねらうって事ですね」
 ――どういった思いでリング上でベルトを巻いた愛川選手を見ていたんでしょうか?
 「似合わない。似合わない、それだけ。次巻くのは、自分なんで、期待しててください」

▼ハイスピード選手権試合30分1本勝負
 夏樹☆たいよう(21分41秒/モモ☆ラッチ)Leon
※王者が5度目の防衛に失敗。夏樹が第5代王者となる。

 夏樹は中西百重さんから譲り受けたコスチューム&テーマ曲で入場。挨拶代わりのハイスピードな動きを見せると、じっくりとした攻防に。しかし、宇宙人プランチャを食らって劣勢に。トップロープを走り抜けるミサイルキック、串刺しスピアー、ケブラドーラ・コンヒーロ、逆エビ固め、スピアーと苦しい戦いが続く。しかし、トップロープを使ったスタンガン攻撃で流れを変えると、三角飛びプランチャを放つ。さらに串刺しドロップキック、ダイビングフットスタンプ、イグチボム、ジャーマンと畳み掛けたが、ムーンサルトプレスは剣山で返された。noki-anバックブリーカー、腰へのダイビングフットスタンプ、マッドスプラッシュ、逆片エビ固めと腰に集中攻撃に絶叫。ニールキックをかわしてイグチボムでたたきつけてもスピアーを食らい、カウンターでスピンキックを浴びた。それでもキャプチュードバスターはDDTに切り返してたたきつけると、スピアーをドロップキックで迎撃しラ・マヒストラル。さらにソバットからのたいようちゃん☆ボムは阻止されたが、三角飛びムーンサルトアタック、トリプルたいようちゃん☆ラ・マヒストラルと畳み掛け、フィニッシュでモモ☆ラッチへ。しかし、これはLeonが踏ん張り、またも逆エビ固めに。さらにスピアーで再び腰を攻められたが、コーナーの上ったLeonを捕まえてたいようちゃん☆スパニッシュフライを敢行。2度目のモモ☆ラッチをパワーボムでたたきつけられ、スパイダージャーマン、Leonストーンと反撃されたが、noki-anバックブリーカーを十字固めに切り返すと、3度目のモモ☆ラッチへ。ついに3カウントが入り、「自分のベルト」と言い続けた王座を8カ月ぶりに取り戻した。

★夏樹のコメント

 「やっと取り戻すことができました。やっぱりJWPトップのベルト巻いてただけあって強かったけど、ハイスピードは自分のベルトなんで。それはやっぱりスピードにはこだわってるけど、パワーでもテクニックでも負けたくないって気持ちで戦って。今日は後輩も見てたんで、絶対にハイスピードに憧れとか、自分もやりたいと思ってもらえる試合をしたかったんで、勝ててよかったです」
 ――今日は中西選手にコスチュームをもらって、決め技もモモ☆ラッチだったが?
 「はい。奈苗さんの15周年ということでモモも絶対に来られると思って、モモの前で勝ちたかったんですけど、まさかコスチュームと入場曲まで伝授していただけると思ってなくて、嬉しくて。自分がプロレスをやってるのも、このハイスピードというジャンルを作り上げて来られたのも、モモがいたからなんですね。これからもずっとモモは自分の憧れですし、そして奈苗さんの存在はすごく大きくて。今は打倒奈苗で、倒すことが恩返しと思って生意気言ってますけど、奈苗さんの背中があったからこそ自分はまっすぐ進んでくることができたので、おめでとうございますと言いたいです。それから日高コーチにもありがとうございますと伝えたいです」
 ――次は赤いベルト?
 「そうですね。自分が総なめにしたいです。だから奈苗さんに勝ってもらわないと」

▼ワールド・オブ・スターダム王座決定トーナメント決勝戦30分1本勝負
 高橋奈苗(13分17秒/ワンセコンドEX<仮>→片エビ固め)美闘陽子
※高橋が初代王者となる。

 奈苗のテーマ曲はビッグマッチに使用するイントロ付き。美闘が奈苗に勝る武器である蹴りで積極的に攻める。奈苗は足をすくってグラウンドに持ち込み、コーナー際でエルボーを連発。美闘が打ち返すと、奈苗はさらにエルボーでやり返し、さらにヘッドバットを放った。美闘はミサイルキックをすかしてサッカーボールを見舞い、逆片エビ固めを決める。顔面への張り手合戦からグーパンチの打ち合い。奈苗は再びヘッドバットを食らわせ、ブレーンバスターを浴びても追っかけ式ラリアットを決める。続けて狙ったラリアットはかわされ、ジャーマンで投げられたがドールFはかわす。雪崩式ブレーンバスターは逆に持ちあげられて前から落とされ、ミサイルキックを浴びるも、2発目のミサイルキックを許さず雪崩式ブレーンバスター。「小型爆弾!」「冷蔵庫爆弾!」とダイビングボディプレス2連発、スライディング式延髄斬り、延髄ラリアット、アルバトロスと畳み掛けるも、ワンセコンドは切り返されてしまった。奈苗がバックドロップ、美闘がジャーマンで投げ、奈苗がラリアット。奈苗はナナラッカをスタイルズクラッシュに返されてしまうもカウント2で肩を上げる。浴びせ蹴り、ドールBでも3カウント許さず、急角度バックドロップ。最後はワンセコンドの体勢からエメラルドフロージョンのように落とす新技を初公開。15周年を白星で飾るのと同時に、赤いベルトの初代王者となった。

 奈苗は「ありがとうございました! 皆さんのおかげで15周年を迎えることができ、スターダム初の後楽園大会を開催することができ、そして赤いベルトが私の元に来てくれました! スターダムの後楽園はどうでしたか? ここがゴールじゃなく、私が赤いベルトを巻き、ゆずポンが白いベルト、夏樹はハイスピード、この3本のベルトを軸に8月からシーズン3が始まります」と挨拶。選手たちをリングに上げようとする。しかし、そこにトリプルテイルズを脱退したばかりの紫雷イオがリングに上がり「私は今日は自分自身がもっともっと輝きたいと思ってここに来ました。スターダムは元気があって、勢いがあって、とっても魅力的な団体だと思います。正直、このリングに立つことが出来て、感激で足が震えています。奈苗さん、私をスターダムに参戦させてください!」と希望した。「どんだけの覚悟があるんだよ?」と言う奈苗に、イオは「私なりにいろんなリスクを背負ってここにいます! ところで奈苗さん、いまパートナーがいないらしいですね。私でよければタッグを組みましょう!」と言い返す。パートナー不在の奈苗の気持ちを利用した巧妙な手口だが、奈苗は「いい根性してるよ! 私のパートナーになりたいなんていいセンスしてるよ! ここにいる奴らは私を大事にしないんだ」と笑顔で握手。シーズン3から紫雷イオの参戦することが決定した。最後はイオも一緒に、スターダム選手と締め。奈苗が「私もまだまだ人生夢の旅だと思っています。皆さんと一緒に夢の旅をしたいと思っていますので、これからもスターダムをよろしくお願いします! いくぞー! いまを信じて、明日に輝け、We are スターダム!」のかけ声でスターダム初の後楽園大会を締めくくった。

★奈苗のコメント

 「ありがとうございました。おかげさまで15周年記念試合を本当に記念してもらい、ベルト……赤いベルトが私のところにあるのがすごく嬉しいです。今まで好き勝手生きてきたし、わがまま言って。途中で引退しますと言っても続けたり、会社が無くなったり、いろいろ波瀾万丈プロレスの旅をやってきたけど。その度に周りの人に助けてもらってきて、その感謝をどうやって表すかと言えば、プロレスを続けていくことしかない。そしてこうやってストーリーを手にしなくては意味が無いと思っていて。スターダム後楽園という場を与えてもらって小川さんにも感謝しています。美闘もマルチネスも強くて。決勝なんか気力だけで戦っていて。なかなかデビューして半年でここまでできる選手もなかなかいないと思うし。あとは誰が業界を引っ張っていくか。誰が未来の扉を開けるかの勝負だと思うので。私が一歩リードできたと思います。全体を見てどうかと思いますが、私がスターダムを引っ張って、スターダムが業界を引っ張っていけたらいいなと思いますので、これからもよろしくご指導お願いいたします。ありがとうございました」
 ――体重はどれぐらい?
 「約10kg(絞りました)。今は60kgぐらいです。鍛えながら食事で落としていくというのが結構大変だったんですけど、いろんなものを自分自身に課していかないとみんなに見せていけないというか。私は自分の背中を見てもらいたいし、それをやって示していきたいと思っているんで。それでよいプロレスをやっていきたいし、格好いいプロレスを作っていきたいと思います。15周年でもさらに進化していきます」
 ――WWWAの最後の女王が赤いベルトを再び巻いたわけですが?
 「私はベルト大好きというか、一番大好きだから。やるなら一番最高。なんでも一番目指してますし、スターダムでも近い将来に一番取ると言ってますし、いろんなものがはまってきてるというか、流れが来てると思うんで。赤いベルト……私が生まれ育った全女の長い歴史を作ってくれた赤いベルトを私が今こうやって巻けるということで、本当に感慨深すぎる。でもこれはスターダムのベルトなんで、これを価値あるものにしていくのが私の仕事ですから。高橋奈苗が巻いたからすごいんだぞってしていきたいです。一生巻いていきたいです。辞めるまで。ていうか辞めない。このまま棺桶に入ります。まだまだ若い選手には巻けません。スターダムには若い力が多いですけど、私が一番若いと思います。どんどんこれから進化していきます」
 ――最後の技は?
 「ワンセコンドの新バージョンです。名前はどうしよう」

★美闘のコメント

 「やっぱり15年やってた人には全然かなわなかった。すごく強かった。やっぱり私じゃダメでした。キャリアの差ですね。思い知らされた」
 ――新技は?
 「回転チョップからの回転しての蹴りを奈苗さんに出して倒そうと思ったんだけど返されてしまって。磨かないと利かないなと思いました」
 ――初めての後楽園で緊張は?
 「やっぱりキャリアの差です。半年じゃ全然届きませんでした。奈苗さんは15年でも練習を重ねてきているので、やっぱりそこの差が出てしまった」
 ――長野選手に勝って勢いが出たのでは?
 「リベンジしたい相手だったので、そこで気が抜けたというか。本当に勝って勢いがついてくれれば良かったんですけどダメでした」
 ――また挑戦したいですか?
 「奈苗さんが15周年で赤いベルトというのは周りから見て当たり前になってしまったので。そこで新人がピカーっと出て、15年やってた選手に踏ん張って踏ん張って食い下がらないと。新人らしく勢いでベルト取りたかったので、本当にリベンジしたいと思います」

★ロッシー小川代表のコメント

 「初後楽園をして、観客動員とか試合内容は良かったと。ただ試合(時間)が押したのが唯一の反省かなと。それを次回への反省として。でも後楽園でも行ける感触はあったので、来年はもっと回数を増やして、後楽園を軸にできる団体にしたいです」

★イオのコメント

 「さっきもリング上で言ったんですけど、自分自身で向上していきたくて、自分自身でもっともっと輝きたいと思ったときに、このリングがすごく魅力的だなと思って、参戦を希望してやってきました。リスクがあると言った通り、得る物があれば失う物もあるので、寂しくもありますけど、そういう犠牲を払ってでも覚悟してここに来たと」
 ――スターダム参戦を見据えての?
 「スターダム参戦を見据えたわけではなくて、自分自身が1人でも勝負していけるように、成長のためにここに来ました」
 ――具体的に目指すものは?
 「まずはさっきも出たいですと言ったときに奈苗さんも難色を示したので。まずはリングの上で見てもらおうということで。『何しに来たんだ』とか『覚悟はあるのか』とか不信感はスターダムの選手にもあると思うので。まずは奈苗さんと組んで覚悟を見せつけて、そこから紫雷イオという名前をスターダムのファンなり、女子プロレスのファンなり、プロレスファンなり、日本中の人に発信していきたいと思います」
 ――いつから出ますか?
 小川代表「次のシーズンが8月14日からなので、そこから」
 ――9月は?
 「出ます。ややこしくは…自分の中でトリプルテイルでの活動とスターダムでの活動は、思いこみというか思い入れが違うので。あるはあるので。奈苗さんとタッグを組むとはいえ、シングルでも勝負をかけていきたいと」 

 初のバトルロイヤルは世IV虎が制す

『スターダム後楽園開催記念イベントマッチ』
◆7月10日(日)千葉・Blue Field(12:30)
観衆185人

▼後楽園への道~トーク・バトル~

 風香GMが登場し「初の千葉大会にご来場まことにありがとうございます。初の後楽園大会まで2週間となりました。今日は後楽園大会のイベントマッチとなっています。いつもの熱い試合プラス楽しい要素も入れていきますので、気楽に楽しんでいってください」と挨拶。後楽園大会でXと発表されていた美闘陽子の対戦相手が長野美香に決まったことを発表した。
 
 続いて高橋奈苗、愛川ゆず季、世IV虎がリングに上がってトークバトル。風香GMから与えられたテーマに沿ってディスカッションした。
 
☆後楽園大会
 
 奈苗「後楽園と言えば高橋奈苗15周年です。みなさんのおかげで15周年を迎えることができて、本当に感謝しかないんですけど、15周年という場所がスターダム初の後楽園ということで気合い入ってます。あんたたち、頑張りなよ!」
 世IV虎「お前ね、何度も言ってるけど、後楽園は世IV虎の生誕18周年なの。うぜえんだよ。まあ、自分の18周年で自分が勝ってベルトを巻いて、後楽園の2日後がうちの誕生日、みんなからのプレゼントを受け付けてます」。
 愛川「世IV虎ちゃんはずうずうしいよ。18歳とか言ってるけど、そのふてぶてしい顔ふてぶてしい体、どう見ても30代にしか見えないけど。18歳って自己申告でしょ? 奈苗さんと一緒でも違和感ない」。
 世IV虎「無理無理。どっからどう見てもピッチピチの17歳乙女だし」。
 愛川「後楽園では私が勝って、後楽園をゆずポン祭にするくらいの勢いで頑張りたいと思います」。
 奈苗「ゆずポン祭はゆずポン祭で勝手にやってればいいじゃん。30代をバカにしないでください。ゆずポンも四捨五入したら30でしょ? ドングリの背比べ、あんたたち一緒だよ。私が一番若いわ。これから先が明るい素晴らしい興行にして、私がベルトを獲りたいと思いますね」。
 愛川「私は後楽園ではテコンドーやプロレスのデモンストレーションをやったことあるんですけど、試合は初めてなので緊張しています」。
 世IV虎「何が緊張してるだよ。気持ち悪い。お前、大事な千葉大会を休みやがって。うちにびびった?」
 愛川「今日はトークバトルなので、楽しく盛り上がるように話していきましょう」。
 奈苗「世IV虎の言った通り、戦いはもう始まってる。ゆずポンは試合を休んじゃったから一歩後退、白いベルトは世IV虎が有利かもね。私の方が全然すごいと思うけど、せいぜい頑張ってくださいよ」。
 世IV虎「何、上から目線で言ってんの? 肉体改造か何か知らないけど、そんなに痩せこけて、せこく鶏肉ばかり食べて。金貯めてるんだろ? 食事も性格も全部せこい」。
 愛川「収拾がつかなくなるので。スターダムが後楽園ホールで試合をできるのはありがたいこと。ビッグチャンスだと思うので、みんな頑張っていければいいと思います」。
 
☆新設ベルトについて
 
 奈苗「赤いベルト、白いベルトと言ったら、女子プロレスの偉大な歴史を作った証のような色ですね。お前ら知ってるか? 先人の方が道を作ってくれたから、今プロレスをやることができる。そして、高橋奈苗が赤いベルトの最後の保持者なんですよ。ここで赤いベルトというのは運命で、スターダムが継承するということで『古きを知り新しきを知る』でしたっけ?」
 世IV虎「バカは黙ってろよ。後楽園の相手は15冠とかいうやつでしょ? そいつに私が秘策を教えてお前は一回戦負け。うちはちょちょいと勝って、うちが白いベルトを巻いてやろうと思っているのでよろしく」。
 愛川「世Ⅳ虎ちゃんに白いベルトは似合わないと思います。バスト106cmだっけ? ウエストも106cmでしょ? サイズがあわないと思う。それに会見のあの恰好は何? 西野カナさんに謝った方がいいよ。『会いたくて会いたくて震える』んでしょ? 恋してるからあんな恰好したんでしょ? そうなんだ。誰? 誰?」
 世IV虎「てめえにうちの恋愛事情は関係ないんだよ。まだ17歳だぞ。タヌキは黙ってろよ」。
 奈苗「そういうくだらないことを見せられると、恋愛とかどうでもいい。この2人が白いベルトを争うと、権威が下がる気もします。が、赤いベルトは私が権威をあげて、みんなが欲しがるベルトにしたいと思います」。
 愛川「赤いベルトは美闘陽子ちゃんに巻いてほしいと思う。陽子ちゃんはずうずうしくないから言わないんですよ。でも、内心では熱く燃えていて、私が白いベルト、陽子ちゃんが赤いベルト、それでスターダムの未来は明るいと思います」。
 
☆3人はお互いどう思ってるか
 
 世IV虎「うちは親分と姐御しか信じない。スターダムはフレッシュな団体だから、うちがベルトを巻いて、高橋奈苗はフレッシュじゃないから掃除係で。愛川ゆず季は売店が好きだから、黄色いタヌキとして売店係をやっていてくれって感じだね。自分がスターダムを引っ張っていこうと思っているので」。
 奈苗「それは無理ですよ。どうなっちゃうんだよ、スターダム」。
 世IV虎「自分がみんなを仕切る。うちがスターダムをいい方向に、楽しい方向に持っていくので、お前ら出しゃばんないで」。
 奈苗「私が出しゃばらないとスターダムは話にならないので」。
 愛川「私もグラレスラーとして真剣に取り組んでます。高橋さんもいつか倒したいし、素晴らしいレスラーだと思うし、練習もすごいされていてすごいけど、ただ面倒くさい。何でみんながタッグを組まないかわかりますか 組んでくれないことすら、オイシイと思ってるのが…」。
 奈苗「思ってないよ! 本当に思ってない。私は伝説のナナモモ…タッグが大好きなの。わかる? それなのに誰もいないんだよ。このさみしさわかる?」
 愛川「その理由はわかってますか?」
 奈苗「だから、高橋奈苗に『えー』ってやれば、みんな面白いと思ってるんでしょ?」
 世IV虎「お前、本当にウザイ! みんなお前のプロレスに飽きてるの。みんなフレッシュな人を見に来てるんだから。15年もプロレスやってて、お前ひいた方がいいよ」。
 奈苗「かわいそう。言い過ぎだよ。客観的に考えて、最近の流れは自分がかわいそうだと思う。だから、私は己に入るしかない。自分自身が頑張ろうと思って、レスラーとしてもっと輝くために。みんないいよ! パートナーなんていらない。組みたいって言ってもく組んであげないからね。私は毎日練習して、鶏肉はみみっちくない。金かかってるんだよ。規則正しい生活をするのがレスラーの証。私を見習いな!」
 愛川&世IV虎「……」。
 奈苗「勝ったぞ! 後楽園はスターダム一丸となって、必ずみなさんに楽しんでもらえる大会にするので、よろしくお願いします」。
 
 トークバトル後、特別興行らしく全選手と記念撮影ができる抽選会が行われた。当選した10人の観客が全選手と記念撮影し、最後に須佐えりが挨拶。「みなさん、こんにちわ。前回初勝利した須佐えりです。後楽園が迫ってます。みなさん楽しみにしてください。今日も頑張りますので応援よろしくお願いします」。

▼20分1本勝負
 星輝ありさ(7分26秒/ブラジリアンキック→体固め)鹿島沙希

 
 ゴングと同時に星輝がドロップを仕掛けるも、鹿島がかわしてハイスピードの攻防。交互にマウントエルボーを打ち合い、鹿島が逆エビ固めで絞めあげた。フェースクラッシャー2連発、アームロック、クリストと攻め続けたが、カウンターのミドルキックで形勢逆転。旋回式ボディプレス、オクラホマロールをカウント2で返した鹿島は、エルボーで反撃し、ハイキックをかわして張り手、ドロップキックで流れを変えようとする。しかし、ブラジリアンキックを浴びると、肩を上げることができなかった。

▼キッズ・ファイト~夢のプロレス物語~3分間
 夢(時間切れ引き分け)岩谷麻優

 
 2大会連続で未勝利対決に臨んだ岩谷は、勝ち誇った表情で手を高々と上げる。夢はボディに蹴りを見舞い、カニ挟みからキャメルクラッチ。鼻フックを決めてみせる。岩谷も同じように鼻フックを決めると、ブーイングが浴びせられた。岩谷はヒザをついて夢と向かい合う。エルボーをブロックされ張り手でやり返されたが、余裕の態度は変えない。夢のカサドーラはそのまま潰してフォール。ダイビングボディアタックはかわされ自爆すると、腹部を蹴り上げられ、ダイビングボディアタックを食らった。さらにシャイニング式の新技キックを浴びたところで時間切れ。岩谷はまたも勝つことができず肩を落とした。

▼30分1本勝負
 ○夏樹☆たいよう&世IV虎&山縣優(18分55秒/イグチボム→エビ固め)高橋奈苗&美闘陽子&●須佐えり

 山縣の参戦でトラブルメーカー2が2度目の結成。乱闘で試合が始まり、奈苗と夏樹の攻防へ。山縣は須佐の攻撃を簡単に許さなかったが、奈苗が助けに入ってダブルのドロップキックを決めた。美闘がヘアー投げからドロップキック、さらに奈苗がヘッドロック、串刺しボディアタックを続いたが、夏樹が助けに入り、奈苗をキャメルクラッチの体勢で捕らえると、世IV虎と山縣が蹴りを放っていった。さらに夏樹がスピードの乗ったドロップキックを放ち、エプロンではりつけにして3人で顔を踏みつけた。山縣がスリーパー、夏樹がクロスフェース、ミサイルキックと攻め込んだが、奈苗が夏樹より先に立ち上がってショルダータックル。コーナー2段目からのミサイルキックを放った。しかし、すかさず山縣と世IV虎がリングに入り、合体のフェースクラッシャーを決める。世IV虎は奈苗とタックル合戦を展開し、須佐に誤爆させるとネックハンギングボムを狙う。これは首固めに切り返されてしまったが、相手のトリプルドロップキックは山縣の助けですかすことに成功。奈苗が世IV虎の上に山縣、夏樹とブレーンバスターでたたきつけていった。さらに山縣を雪崩式ブレーンバスターで投げるも、美闘の蹴りは空を切り、山縣は夏樹とチェンジ。夏樹は美闘が捕まえることができないスピードで走り回り、美闘の攻撃をかわしながらエプロンの奈苗を何度も攻撃する。さらに美闘のブレーンバスターで体勢を入れ替えて足から着地すると、背後から足をすくい倒し、奈苗のドロップキックを誘い込んで同士討ちにさせる。さらにダイビングフットスタンプを浴びせたが、美闘はブレーンバスター、ドロップキックで反撃に転じる。須佐もドロップキック、スイングDDTと続いたが、夏樹は「ふざけんな!」と顔面めがけてドロップキック。すかさず奈苗が延髄斬りでアシストし、須佐がスイングDDT式首固めでフォールするもカウント2で返され、世IV虎&山縣の合体ボディプレス、夏樹のソバットで須佐が追い込まれた。奈苗のラリアットが美闘に誤爆すると、3人の連係攻撃で奈苗の動きも封じ、リング上は夏樹と須佐の2人に。夏樹は串刺しドロップキック、イグチボムで試合を終わらせた。

▼スターダム・スぺシャル・バトルロイヤル
 ○世IV虎(20分12秒/オーバー・ザ・トップロープ)●星輝ありさ、●岩谷麻優
※退場順は須佐、夏樹、山縣、鹿島、夢、美闘、奈苗

 1分ごとに2選手ずつ入場し、オーバー・ザ・トップロープでも決着する時間差バトルロイヤル。鹿島と奈苗が入場して試合開始。女-AMA-が入場し、同時にジャックナイフ式エビ固めを決めるなど、タッグらしい試合で奈苗&鹿島を攻め立てた。続いて美闘&須佐がお揃いのポニーテール姿で入場。2人は前の試合でトリオを組んだはずの奈苗を2人がかりで痛めつけた。川崎葛飾最強伝説の2人がリングイン。やはり奈苗にターゲットを絞る。最後に山縣が夢を肩に担いで入場。トラブルメーカー2と他の選手の間で、夢の取りあいが始まる。「いつもお菓子をあげてるのは誰?」という美闘の言葉に夢は山縣への蹴りで返答。トラブルメーカー2はコーナーで3人重ねられ、トレイン攻撃を浴びた。鹿島が夏樹に首4の字固めを決めると、他の選手も数珠つなぎで続いた。夢は一列になった選手たちの上を頭側から足側まで歩いて渡り、夏樹の両足を持って逆エビ固め。全選手がひっくり返って逆エビ固めに苦しそうな表情を見せる。須佐が夏樹に女子高生固めを決めたが、無防備な状態で世IV虎のラリアットを浴びて全員にフォールされて最初の退場となった。世IV虎が倒れると、真っ先にフォールしたのは何と夏樹と山縣。これを何とかカウント2で逃れた世IV虎は裏切った2人に詰め寄ったが、夏樹は「違う」と他の選手のせいにしようとしたが、美闘に羽交い締めにされてしまった。身動きの取れない夏樹に、奈苗、鹿島、夢、岩谷が代わる代わる攻撃していく。3周するも、なぜか岩谷だけは夏樹の蹴りを浴びた。美闘のハイキックを夏樹がかわすと山縣にヒット。星輝がオクラホマロールで丸め込むと、夏樹もジャックナイフでフォロー。再び夏樹が裏切る形に。カウント2で返した山縣は夏樹をにらみつけた。夏樹と山縣は場外に落とされそうになるも、エプロンで粘りを見せる。世IV虎が助けようとしたが、美闘、岩谷、星輝、鹿島と4人同時にキックを背後から食らった世IV虎は、2人を場外に落としてしまった。岩谷が世IV虎を、美闘が岩谷を、星輝が美闘を、奈苗が星輝を、鹿島が奈苗を次々とスクールボーイでフォール。すべてのフォールで夢も一緒に押さえにいったが、すべてカウント2。世IV虎が夢を担ぎ上げ、片っ端から合体のドロップキックを浴びせていく。鹿島が奈苗にしじみを切り返されてフォール負け。奈苗は続いて夢に狙いを絞るが、場内からブーイング。「じゃあ、お前が行け!」と1人ずつ夢に攻撃していく。最後は世IV虎がバックブリーカーで3カウントを奪った。コーナーに上った美闘が星輝の蹴りを浴びて場外に転落。残りは奈苗、世IV虎、女-AMA-の4人となる。奈苗は「若い者同士」とAMAと無理やり肩を組むが、AMAは奈苗に攻撃を仕掛け、岩谷は奈苗をコーナーに逆さ吊りにする。AMAにダブルラリアットを放った世IV虎が、逆さ吊りとなっている世IV虎を助ける振りして、そのまま場外に落とした。2対1で世IV虎を攻めたAMAだったが、最後はエプロンに立つ岩谷に、世IV虎が星輝を投げつけると、AMAの2人は同時に場外転落。世IV虎が優勝した。

 世IV虎「どいつもこいつも頭が弱いんじゃないの? とりあえず千葉のリングもうちのもんでいいですか?」
 山縣「秘密ね」と頷く。
 世IV虎「この調子で後楽園もうちが締めたいと思うのでよろしく」。
 山縣「みなさん、ようこそ千葉にお越しくださいました。ここのリングが私が9年間育ったKAIENTAI DOJOです。今日スターダム2回目の参戦です。めちゃめちゃ楽しかったです。次、試合は? 後楽園、何かあるよね?」
 世IV虎「白いベルトです」。
 夏樹「ハイスピードです」。
 山縣「その日、早く起きることができたらセコンドに行きます。もし会場に現れなかったら、姐御は寝てるんだと思ってください。この時間は寝てるんですよ。そういうことで最後、あんたが締めよう」。
 夏樹「今を信じて、明日に輝け We are STARDOM!」。

★世IV虎のコメント

 「みんな頭が弱い。自分のことを中卒ってバカにするけど、バトルロイヤルは頭とどれだけ動けるか。スターダムで初めてバトルロイヤルをやったけど、もっと頭を使ってほしいですね。弱すぎる。後楽園はこの波に乗って、白いベルトを自分の物にしたいし、黄色いタヌキがまた調子に乗ったことを言ってたけど、言うのはタダだから。今日だって自分にビビって出なかったと思うので、後楽園ではあの胸を今以上に陥没させてやりたいと思います」。

★奈苗のコメント

 「ちょっと私がけしからんことに捕まる部分が多くなってしまって、自分が引っ張らなきゃいけなかったのに、美闘にいいところを持っていかれた気がして悔しいですね。自分の中では後楽園で赤いベルトを争うかもしれない美闘と組むのが納得しきれないままリングに上がっていたので、そういう部分でも遠慮していたかなって思いますね。今日試合をしたことで、自分自身のこともそうですけど、新木場を飛び出して千葉大会を開催できたのは勉強になったと思うので、後楽園の前に今日があってよかったなって。自分は前向きにいきます。(Xが長野に決まったが?)まあ、入るなら長野選手しかいないかなって思っていたんですけど、総合格闘技で実力がある選手が入ったことで、ベルトの価値はより真価に近づいた気がするというか。プロレスの試合にはあまり出ることができないけど、プロレスは一戦でも頑張れば認めてもらえることができる。ただ、ダメな時の責任も自分で負わないといけない過酷なものだけど箔がついたなって思います。自分はここまで15周年に向けて体も心も考えて作り直して、いい調子になってきてるので、プロテインを飲んで、鶏肉を食って、心を作って、体を作って、みなさんに後楽園にお越しいただき、私が絶対にベルトを巻きたいと思います。旗揚げから半年が過ぎまして、試合数自体は少ない方かも知れないけど、今自分たちができることを一生懸命やってる中で、成長してること、そうじゃないこと、やってるからこそぶつかる壁とかも個人個人に出てきてると思います。すべてが順調とはいかないけど、進んできてると思うので、これを続けていくしかないし、すぐに結果が出る甘い世界じゃない。毎日の練習、日々の生活、24時間プロレスを考える。それをさせる。プレーイングマネジャーとしてそういうことですかね」。

★女-AMA-のコメント

 ──バトルロイヤルでタッグらしい所を見せられた?
 星輝「時々はあら? って部分はあったけど、麻優ちゃんを守ろうという気持ちにもなりました」。
 岩谷「連係技が出せたので、まだあまり作ってないですけど、第1歩として出せたのでよかったです。でも、途中なぜかありさが蹴ってきたので、不安になりますよね」。
 星輝「あれは色々と、何かしらがあったんです。違うんです、信じてください」。
 岩谷「後楽園では女-AMA-として発車、活動するので、ファンの人も自分たちも楽しめるタッグになればいいと思います」。
 星輝「私はあの2人(須佐&鹿島)には勝ってるんですよ。あの2人に負ける気は全くないし、私がブラジリアンキック、1399と自信のある技があるので負けないです」。
 岩谷「須佐えりに負けたっていうのは自分の中でグサっときて、ファンの人にも最弱っていじられたりするんですけど、見返したいですね。ただ、決め技がまだないので、それを開発して、足りないところはありさにフォローしてもらって、いいタッグチームで活動できれば嬉しいです」。
 星輝「2人でひとつです」。

★美闘のコメント

 ──後楽園の対戦相手が決まったが?
 「前回の長野戦で負けてしまっているので、会見で言ったリベンジしたい相手も長野選手だったのでよかったです」。
 ──新しい技を考えていると言っていたが?
 「間合いが大事だと思うので、キックで一撃で対応したいと思います。今日は初の6人タッグマッチだったんですけど、奈苗さんとは後楽園のこともあって、どうしたらいいかと思ったんですけど、逆に弾けてよかったかなって。負けてしまったけど、川崎葛飾苫小牧? 今はホールで頭がいっぱいですけど、終わったらリベンジしていきたいと思います」。

 愛川&美闘が川崎葛飾に初黒星つける

スターダムSeason2『grows up stars2011~最終戦』
◆6月26日(日)東京・新木場1st RING(12:30)
観衆355人(超満員)

▼記者会見

 スターダム初の聖地進出となる7・24後楽園に向け、Leonの持つハイスピード王座に夏樹☆たいようが挑戦することが決まった。試合前の会見で、夏樹は「やっと奪われたままになっていたハイスピードのベルトに挑戦でいることになりました。自分はスターダムができてから、自分が巻いたら防衛戦ができるようになってないとスターダムの管理になった意味がないと思っていたので。今まで黙っていたけど、スターダム初の後楽園ホールで奪回に出たいと思いがあり、Leonも受けて立つと言ってくれたので。自分は日本一、世界一速い選手として奪い返したいと思います」とコメント。小川社長は「今日は大阪でJWPの無差別を懸けて戦ってるそうで、ベルトは違うけど絶対王者として受けて立ってほしいと思う」と、頂上決戦への期待を語った。

▼オープニング

 いつものように超満員となった今大会。恒例のダンスパフォーマンスが、ますます場内の熱気をあおる。大きな拍手に迎えられてリングに入った風香GMもダンスに混じり、笑顔を観客に向ける。マイクを手にした風香は「今日はシーズン2最終戦にご来場ありがとうございます。後楽園まで最後の新木場、未勝利同士の直接対戦もあり、選手はいつも以上に気合いが入ってます。皆さんご声援よろしくお願いします」と挨拶し、対戦カードを発表。さらに7・24後楽園大会第一弾カードとして、ハイスピード選手権Leonvs夏樹☆たいようが発表された。

▼未勝利戦~The first victory is survived10分1本勝負
 須佐えり(9分58秒/スイング式スモールパッケージホールド)岩谷麻優

 未だに初白星のつかめない2人が、ついに一騎打ちを迎えることになってしまった。負けてもいい試合などもちろん一つもないが、それでもこれほど厳しいシチュエーションには、なかなか出会えるものではない。ゴングと同時にドロップキックの打ち合い。しかし、どちらもクリーンヒットは取れず、ならばと意地を込めてエルボーを打ち合う。お互いに声にならない叫びを上げてのエルボーも決定打とならず、倒れることがない。須佐はバックに回って首を狙うが、これはロープに逃げられる。長身の岩谷が挑発するように手を挙げて手四つに誘う。須佐はジャンプして腕をつかむと、そこから腕を絞り上げる。岩谷も返すが、ここは須佐の意地が勝り、岩谷に悲鳴を上げさせる。ところがグランドに引き込むと岩谷が逆転。逆に胴絞めスリーパーでギブアップを迫る。なんとかエスケープした須佐に、岩谷は逆片エビ固めで追撃。須佐は必死の形相でロープをつかむも、ダメージから立ち上がることができない。しかし、岩谷のクロスボディをかわした須佐は、回転して足首を取りアンクルロックへ。エスケープされても再びリング中央に引きずり込んで、足首を絞る。脱出されてもDDTで叩きつけ、さらに縦に大きくスイングしてのDDT、そしてコーナーからスイング式DDTを狙う。だが逆にマットへ叩きつけた岩谷は、低空ドロップキックからジャックハマー気味にマットに投げつけ逆転。ドロップキックねらいは阻止されたものの、ランニングネックブリーカーからカバーし、キックアウトされてもチキンウイングアームロックで絞り上げる。須佐はロープに足を伸ばしたが、ダメージは歴然。岩谷は払い腰からの腕十字で再びギブアップを迫る。必死にエスケープした須佐に、岩谷はセカンドロープからクロスボディを発射。さらにトップロープからサイドのボディアタックを敢行する。それでもカバーに肩を上げた須佐は、ネックロックにもエスケープ。ダブルリストアームサルトも2で返し、ヒザ蹴り連打をお返しする。しかし、岩谷は変形のコブラツイスト(「元女子高生固め!」と絶叫)で切り返す。幻影期女子高生の意地で脱出した須佐だが、残り時間はもう1分。張り手の打ち合いから丸め込み合戦へと最後まで両者が勝利を狙うと、残り数秒で須佐がロープを蹴ってのスイング式DDTの要領で丸め込み。須佐が執念の初勝利を手にした。


★バックステージのコメント

 須佐「(号泣しながら)今まで12戦負け続けて悔しい思いもしてますし、ライバルだと思っていた岩谷に勝てて嬉しいです。周りの人はドローになるんじゃないかという声があったけど、自分はドローにしたくなったので、最後は押さえ込みました。岩谷も思っていた以上に強くて、エルボーとかもすごく痛くて、途中で負けちゃうのかなと思ったけど、最後は自分の実力を見せられました。次は対戦相手も分からないですけど、先輩でも今回の初勝利をバネに頑張りたいと思います。」

 岩谷「最初は負けたと思ってなかったんですけど、最後の最後であせっちゃって。最後に取られたのが悔しいし、須佐なんかに負ける自分が悔しいし。全然イメージできなかったです。自分が最後に負けるところが。想像もしてなかったし、油断しすぎました。試合前から最弱決定戦とか言われてたんですけど……腹が立つし情けないし悔しいし。(試合後はベルトと言っていたが?)試合には負けちゃったけど、このベルトには気持ちを切り替えて。このベルトを見てください。羽がついているんです。自分のコスチュームにも羽がついていて、自分のイメージマークなので、このベルトは自分が持つべきだと思います。自分の腰に巻きます。その方がベルトも喜んでくれると思います。」

▼キッズ・ファイト~夢のプロレス物語~5分1本勝負
 夢(時間切れ引き分け)星輝ありさ

 夢がゴングと同時にダッシュしてのボディアタックで先制。星輝のラリアットも小さな体でかわし、アームホイップからキックを連打する。いいようにやられた星輝もボディスラムからキックを連打するが、目測を誤って空振りも少々。ならばと逆エビ固めにとらえてギブアップを迫る。ロープに逃げた夢は、星輝のキックとかわすと、スクールボーイからキックアウトしたところに容赦なく顔面蹴りを連打。星輝のキックもしっかりディフェンスしてみせる。業を煮やした星輝は前蹴りを一閃。だが延髄斬りはかわされてしまい、逆に卍固めの餌食になってしまう。星輝は悲鳴を上げながらエスケープ。夢はストンピングに619で追撃すると、転落した星輝にエプロン走っての跳び蹴りを食らわせる。だが、リング中央に戻った星輝は、胸を突き出して夢を挑発。夢は3発目のドロップキックで倒したが、星輝はすぐさま跳び蹴りをお返しする。しかし、夢はコーナーからのダイビング延髄をかわすと、シャイニング延髄斬りを発射。さらにコーナー最上段からのダイビングボディアタックを放つ。なんとか肩を上げた星輝は、ボディスラムからラ・マヒストラル。しかしこれもカウント2で止まり、試合は時間切れ引き分けとなった。

★バックステージのコメント

 夢「すごい、なんかすごい動くのが好きだから、この試合でも動けたからすごいよかったです。(初めての5分は長かった?)わかんないんですけど、3分と感じました。今は5分で次からドンドン上げていきたいです。(星輝選手は?)すごい蹴りで戦えてすごい嬉しかったし楽しかったです。(効いた技は?)やっぱり蹴りですね。超というかすごい痛かったです。すごい楽しかったし、やりやすかったというか楽しかったです。」
 
 星輝「夢ちゃんの新しい技を受けたときポカーンとして、本当にやばいと思いました。でも5分じゃ時間が足りなすぎて、全然自分が出せなかった。夢ちゃんがもっと大きくなったら、20分1本でやりたいぐらいですね。同じシュートボクシングをやっているので、やっぱり蹴り合いをしないと面白くないかと思いました。(ベルトが新設されたが?)ベルトは星だし、私は星輝だし、名前に超ぴったりだから欲しいです。とりあえず白を取って、それからゴールドを取って。羽もついていて、麻優ちゃんが、羽がどうとか言ってたけど、関係なしに私が取りたいです。」

▼鹿島沙希デビュー戦20分1本勝負
 高橋奈苗(12分17秒/ワンセコンド)鹿島沙希

 高橋奈苗とのデビュー戦ということもあり、緊張の面持ちの鹿島。奈苗は試合前に「スパーリングをしてても『ギブアップしろ!』と叫んできたり、気が強い」と高評価で、むしろ頼もしげに試合を迎えている。固く握手をかわしたところでゴング。奈苗はベーシックな腕の取り合いから入ろうとするが、鹿島はタックルで飛び込んでテイクダウンする。奈苗に馬乗りになった鹿島は、スリーパーホールドから胴絞めへ。奈苗はあっさりアンクルロックに切り返すが、鹿島はさらに切り返してヒールホールドに。奈苗が驚きの表情を浮かべる。奈苗は力押しに転じ、あっさりロープに押し込む。それでも向かっていく鹿島だが、奈苗は力ずくで押し倒し、腕を固める。それでも鹿島は腕を取ると、小手返しのよいうに投げ捨て、なんとマウントをダッシュ。胸にパンチを落とし、腕十字に移行する。奈苗は腕をロックしてこらえるが、鹿島は懸命に腕を切り奈苗の腕をピンと伸ばす。奈苗はたまらずエスケープ。だがこれで怒った奈苗は腕を固めてヒザを連打すると、ボディスラム。鹿島も串刺しドロップキックをお返しするが、奈苗はエルボー一発で吹き飛ばすと、ヘアーホイップからのストンピングでプロの洗礼を浴びせる。動きの止まった鹿島に、奈苗は逆片エビ固め。しかも空いた足で腕を固めるおまけつきの拷問技で痛めつける。「痛かったらギブアップしろ!」という奈苗のアピールに、鹿島は「うるせえ!」と一喝。心は折れずにロープまでたどり着く。奈苗は怒りのストンピングに張り手で追撃。さらには体ごとぶちあてて吹き飛ばし、力の差を見せる蹴る。ついにヒザをついた鹿島に奈苗は低空ドロップキック。しかし鹿島は立ち上がり、フェースクラッシャーを連発すると、対角線に降ってのエルボーやドロップキックを連発する。倒れた奈苗にカバーにいくも、奈苗はロープエスケープ。ならばとボディスラムを狙うが、奈苗の体が持ち上がるはずもなく、逆にカナディアンバックブリーカーでコーナーにぶら下げられ、体当たりを浴びるハメになる。奈苗はスクラップバスターで叩きつけるが、鹿島は執念のキックアウト。しかも2発目をクリストで切り返し、パワーボム狙いもくるりと背中に回って丸め込む。驚きの表情で肩を上げた奈苗は、鹿島の張り手に表情を変え、逆に張り手を一閃。鹿島はその一発で吹き飛ばされてしまう。倒れても立ち上がる鹿島は、ついにぐるぐるエルボーで奈苗からダウンを奪取。しかし立ち上がった奈苗は張り手をフルスイングすると、ワンセコンドで粘る鹿島を振り切った。ようやく表情をゆるめた奈苗は、がっちりと腕を引き寄せ抱擁。鹿島の腕を取って四方に向け、鹿島を誇らしげに称えた。


★バックステージのコメント

 奈苗「あの野郎、私より先に張り手出してきてほんと腹立つ。随分生意気な奴なんで、ちょっと私としてはプロのリングの第一歩として厳しさを教えることが、私は一番の仕事だろうなと思ってリングに上がったんですけど、この私の顔を張ってくるとはいい度胸してると思います。(鹿島がインタビュースペースへ)黙って座るな、黙って! オイ! リングのあの度胸は何処いったの! 下向かない! 上を向く! 私を張りやがって、ほんと腹立つんだけど。この私の顔を! 綺麗な顔を張って! どういうつもりだ!」
 鹿島「リング上はなんでもありだと思うので」
 奈苗「そうですか。まあそうだな、その通り」
 ――感想は?
 奈苗「感想はよくわかんない技をやってきたとか、私がいつも沙希とはいつも練習してた中で、すごい毎日毎日この子は頑張り続けてきた。私は追い越されたらたまらないので、あまり技を教えてない。その中でなぜか知らない技が何個かあってビックリしました。皆にこうやって出し抜かれていくのかなという、戦いを今日デビューしたばかりのこの子に身を持って教えられた気がしますね。でも根性はよかったと思います。なんなのあの技?」
 鹿島「あれは、島根の名産のしじみという技です」
 奈苗「しじみ!? なに笑ってんの。なにそれ!?」
 鹿島「自分の憧れの夏樹☆たいようさんに、同じ島根県出身のプロレスラーの日高さんに」
 奈苗「日高さん、私のコーチなんだけど」
 鹿島「その日高さんにその技を伝授してもらいました」
 奈苗「しじみ!? あの変な丸めるやつ?」
 鹿島「変じゃないです。しじみです」
 奈苗「何がしじみなの!? しじみってなんなの?」
 鹿島「しじみは貝です!」
 奈苗「なんで、あんたがしじみっていう名前をつけるの!?」
 鹿島「日高さんに伝授してもらったんです。島根県の名産の」
 奈苗「島根県はしじみが名産なの!? でも、そんなのあんたが何処で生まれようと皆に関係ない。そんな勝手な名前つけてもしょうがない」
 鹿島「日高さんに伝授してもらったんで」
 奈苗「生意気でしょ? 生意気なんですよ」
 ――デビュー戦の感想は
 鹿島「すごい、思った以上に凄い痛かったんですけど、すごいリングで戦えてすごい夢が叶ったので、凄い嬉しいです」
 ――戦ってみて高橋選手は?
 鹿島「やっぱり一番の壁だと思いました」
 奈苗「その壁は高くそびえ立って頂上が見えないぐらいなんですよ、沙希からしたら。絶対誰も乗り越える事が出来ない壁ですね」
 ――タッグを組みたいという話もあったが?
 奈苗「そうだな。なんかでも、どうだろう…ガッツはあったから。まあ、沙希がどうしてもって言うなら組んであげてもいいですよ」
 鹿島「はぁ…」
 ――返事としては
 鹿島「まだ一戦目なので、もっと色んな人と戦って行って」
 奈苗「組んであげてもいいって言ってるんだよ?」
 ――返事は保留?
 奈苗「いや、即答するとこでしょそこ!? ねえ! いまどきの子は判らないわ。ほんと、まあちょっとこの子も線は細いんで、私と釣り合うようにもうちょっとでかくなってもらわなきゃ困るんで。こっちこそ保留にしといてあげるよ。多分恥ずかしがりやなんで、後でじっくり話したいと思います。でも新たな選手が、今日がシーズン2最終戦なんですけど、新しいニューフェイスが入るというのは団体にとってすごい嬉しい事で、記者会見でも言ったんですけど、去年の夏の終りに私が出てた興行に、沙希は初めて女子プロレス観戦に来て。そこに私と夏樹がいて、こういうスターダムという団体に私が入るなんて、できてもないので、なかったのに、遠い地であった二人が一年もたたないうちにリング上で戦えるなんていうのは凄い夢があるなって。すごいスターダムには縁というか引きよせというか、目に見えない繋がりを感じてるので。そういう意味でも沙希とはその時点で絆ができてるような感じがしますね。スターダムをさらに加速させるには、もしかしたら私と沙希が組むのが一番いいとお客さんが求めるかもしれない。そう思います」
 ――1カ月後は後楽園だが?
 奈苗「そうですね、15周年という事で。意気込みはちょっとまだカード自体は判らないですが、常に挑戦を近年ではしてきたつもりなので、さらなる挑戦が出来る、現在進行形の戦いをお見せしたいなと。それは後楽園が決まった時から思っているので。ここでしか見れないような、そして未来がもっともっと明るく見えるような戦いをスターダムという場所で、15周年記念よりも先をなんか明るい未来が見える闘いをお見せしたいなと。そのために私は自分自身をもっともっと進化させようと努力してる最中なので、そういう自分も一生懸命頑張ろうとしてるので、私を見て勇気をもらってもらえたら嬉しいし、普段見てない人にも後楽園に来てほしい。昔見てたよって人にも来てほしい。絶対に楽しめる大会に私も皆もスターダムと団体してしたいと思っています。ぜひとも後楽園よろしくお願いします。また新たな選手も加わったんで、どんどん行きますスターダム。頑張って行こう!」
 鹿島「はい!」
 ――デビュー戦は何点?
 奈苗「点数か~100点満点で? どっちつかずなんですけど50点で。まだまだ伸びしろがあるよって意味で。だけど着実に彼女は努力してきた形は見せれたんじゃないかなと思うんで。後の50点を今後のレスラー生活で見せて行ってほしいなと思います」

★大会終了後

 鹿島「緊張して、みんなに目が泳いでいたと言われて。本当に緊張して痛かったけど、大好きなプロレスができて嬉しかったです。想像してたより痛くて。でも痛いけど夢中になってぶつかっていけました。奈苗選手は大きな壁だと思いました」
 ――手応えは?
 鹿島「もっと極めていきたいと思います。しじみも(笑)」
 ――一番利いた技は?
 鹿島「張り手はすごい耳鳴りがして、ぶっ倒れてしまって。でも最後のワンセコンドがすごい利いてしまって……」
 ――高橋奈苗選手は50点と言ってましたが、自分では?
 鹿島「やってきたことが全部出せました。うーん、全部だせたけど……」
 ――次の目標は?
 鹿島「次はうーん、えりちゃん、麻優ちゃんには勝っていきたいです。頑張って勝ちにいきたいと思います」

▼インタビューコーナー

 須佐の「皆さん、準備はいいですか!」の絶叫を皮切りに、再びダンスチームがリングイン。風香と夢をリングに呼び込む。アフロのかつら&サングラスの夢に場内は呆然。さらに激闘を終えたばかりの奈苗もリングへ入る。Kちゃんパンダのノリに「2人で来られると迫力ある」と奈苗もたじたじ。だがインタビューのお願いに、奈苗は「面白いことをやったら」と要求。ダンサーたちのジャンピング土下座など、厳しいパフォーマンスに場内が凍り付くも、お尻を振りながらの哀願についに折れる。
 まずは15周年に向けて「近年は常に進化したいと頑張っているので、通過点ではあるけど集大成がお見せできるようにしたい」と応えるが「プロレスとは?」と聞かれると「本当に……、何を聞かれるか聞いてないし、アドリブ弱いんですよ」とうろたえつつ「生き様です!」と断言。パンダたちも「格好いい!抱きしめてもらってもいいですか」とはしゃぐ。続いて風香GMからの「パッション注入シリーズを終えて一番よかった選手は?」との質問が来るが、アフロ姿の夢に「この子誰ですか?」と逆質問。正体が分かったところで「一番手応えがあったのは、キッズバージョンの夢ちゃんがすごいパッションありました」と応えて、夢ちゃんの頭をなでる。
 しかし、風香GMが「世IV虎ちゃんか美闘さんの名前をあげてもらって、夢ちゃんに『でも世IV虎ちゃん、奈苗さんと組むの嫌がってましたよね』と言ってもらう予定だったんです!」とポツリ。場内爆笑の中、奈苗が「そうですね。生意気な口ばっかり利くけど世IV虎とか良かったですね」とやり直して、さらなる笑いを呼んだ。
 続いて「KK最強伝説のN選手から聞いたんですが、おへそのごまを食べるごまと思って、ゴハンにかけたのは本当ですか?」との質問。答えることができずに唖然とする奈苗へ「歯の裏に宝石を隠してるって本当ですか」と追い打ちをかける。
 続いてYポン(仮名)選手から「練習中にお菓子を食べるのはおなかがすいていたからですか?」との質問に「すいちゃうんだよ。食べてないよ。私は止まれないんですよ。でも今は我慢して食事制限してるので、空気を食べてます」と強弁。「より筋肉をつけて、体はちょっと絞って、自分の中でイメージしてるスピーディーでパワフルな試合ができるようにしようとしてます」とブチ上げた。
 「そんな奈苗選手のためにプレゼントを持ってきたアルよ!」とパンダたちが、パンダとクマのアップリケがついたファンシーなエプロンをプレゼント。早速身につける奈苗にパンダのぬいぐるみを持たせて、一緒に「パンダ、パンダ!」と踊り出す。さらに夢が「えりちゃんからなんですけど、えりちゃんが初勝利したので、時間をいただきたい」と言ってますと一言。
 「入ってくるの?」という奈苗の声にもめげずにリングに上がった須佐は「初勝利した須佐えりです! 突然ですけど、後半戦をもっと盛り上げるために『マルマルモリモリ』を踊りたいんですけど、いいですか。高橋ついてこい! Kちゃんパンダもついてこい! 岩谷はいいや……」と好き放題に言ったあげく、ダンサーや選手たちを巻き込んで、ダンスを披露。場内に微妙な空気が流れる。
 困った風香GMは「これで終わろうと思ったけど、盛り上がりが足りないのでN選手からのリクエストです。あややの真似をしてください」と奈苗に無茶ぶり。奈苗は「もうヤダ!」と絶叫しつつも、あまりに似てないあややのモノマネを披露。力技で場内を盛り上げ「高橋奈苗15周年を迎えることができるけど、今までであった敵や味方や周りの方にすごい感謝してます。15周年をスターダムという団体で迎えることが凄く嬉しいので、スターダムを1番の団体にできるように頑張っていきます!」と宣言した。

▼スターダム頂上タッグ戦30分1本勝負
 愛川ゆず季&○美闘陽子(18分40秒/エビ固め)●夏樹☆たいよう&世IV虎

 「川崎葛飾最強伝説」として無敗を誇る夏樹と世IV虎。試合前には「ビジュアルでも負けない。胸でも勝ってる」と世IV虎が豪語するなど、挑発もとどまるところを知らない。後楽園前の最後の試合で、スターダムの流れを正すため、BY砲(仮)は、タッグ頂上決戦を制すことができるのか!

 世IV虎はコーナーでヤンキー座り、夏樹はコーナー最上段で寝転がったままビジュアルタッグの入場を眺める。先発は世IV虎と愛川。けだるそうにメンチを切る世IV虎に対し、愛川は挑発気味のゆずポンキック・レッド。さらに腕を取ってキックを連打する。しかしノータッチで夏樹がリングに飛び込み、合体エルボーからロープに貼り付けにすると両胸を足ではさみこむ。2人はなおも胸に集中攻撃。コーナーに叩きつけ、さらには胸を狙ってチョップを連打。グロッキーの愛川をキャメルクラッチにとらえ、世IV虎が突き出された胸に蹴りを飛ばす。愛川はキックの連打からアームホイップで反撃。コーナーに追い詰めて顔面を踏みにじると、美闘との合体攻撃。勢いをつけてのニーアタックと串刺しドロップキックを連打する。だが夏樹も美闘を捕まえるとドロップキックを一閃。代わった世IV虎が胴絞めスリーパーホールドで追撃する。世IV虎が固めた腕に、夏樹はダイビングフットスタンプを投下。さらにフロントネックロックで絞り上げ、グラウンドに引きずり込む。美闘の反撃も、小馬鹿にするように背を向けると、ロープを飛び越えて世IV虎にタッチ。だが美闘はドロップキックと上段回し蹴りで突破口を開き、愛川につなぐ。愛川は2人がかりの攻撃をスタナー&DDTで撃墜。コーナーに追い詰めた世IV虎に容赦なく踏みつけ、低空ドロップキックを突き刺す。しかし世IV虎は飛び込んできた愛川を捕まえると、ショートレンジのラリアット。代わった夏樹も女子随一のスピードでかく乱すると、かかと落としで挑発する。ここはエプロンから美闘がキックで救出。体勢を立て直した愛川と共にダブルのキックをぶち込むと、ロープから下降してきた夏樹にカウンターのキックを浴びせる。それでも夏樹の動きは止まらない。アッパー連打で動きを止めると、世IV虎がチンクラッシャーを決め、そこに夏樹が旋回式ボディプレスを落とす。グロッキーの愛川に、今度は世IV虎が体当たり。必死で肩を上げた愛川は、水面蹴りからSTFにつないで逆転を狙う。ところが世IV虎は夏樹との合体フェースバスターを決めると、リフトアップスラム! それでも立ち上がった愛川はキック連打でヒザをつかせると、シャイニングゆザードを突き刺す。タッチを受けた美闘もキックで追撃。立ち上がれない世IV虎の顔面にドロップキックを突き刺すと、コーナー最上段からミサイルキックを放つ。愛川との合体ブレーンバスターも決まり、試合の流れはビジュアルタッグに。世IV虎の意地が詰まったエルボーにはキックで返していく。だが世IV虎はラリアットで美闘を1回転させると、夏樹にタッチ。うずくまったままの美闘にサッカーボールキックをぶち込む。美闘のキックで場外に転落しかけた夏樹だが、アイルビーバックからトップロープに飛び乗ってのムーンサルトアタックの離れ業。だがここは愛川がカットに入り、合体かかと落としで流れを断つ。美闘もキックを連打して夏樹を追い込むが、うずくまったところを夏樹の踏み台にされてしまい、逆に愛川にキックを浴びせるはめに。夏樹はライガーボムからたいようちゃん☆ボムでトドメを狙う。しかし美闘は、その回転を踏ん張って止めると、ブルズポセイドンの要領でマットに叩きつけ、大逆転の3カウントを奪取。川崎葛飾の最強伝説に初の黒星をつけた。

 

 美闘は「勝つことができました! 川崎葛飾タッグを倒すことができて、スターダムに新しい光が見えたと思います!」と絶叫。愛川も「勝つことができました! 川崎だか葛飾だか分からないけど、スターダムの顔じゃねえんだよ!」と挑発する。世IV虎が「まぐれで勝っただけで、なにデカイ顔してんの。親分は今、ハイスピードで頭がいっぱいなんだよ。もう頭は後楽園なんだよ」とフォロー(?)するも「今のことができないのに、未来のことができるわけないでしょ。今日は負けて格好悪いから静かにしててください」と一蹴される。

 愛川が大会を締めくくろうとするが、風香GMが「後楽園大会に向けて大きな発表があります。ロッシー小川社長の入場です」とアナウンス。小川社長が2つのベルトを持ってリングに上がると「ゴールドプレートのベルトは『ワールド・オブ・スターダム』といい、団体や国を問わず、女子レスラーの最高峰を目指すベルト。シルバーのプレートのベルトはスターダムの所属選手で争う、スターダムのシンボルとなるタイトルです」と紹介する。

 そこに奈苗が登場し「風香は間違ってる。シルバーとゴールドじゃなくて、赤いベルトと白いベルトじゃないですか。赤いベルトと言えば奈苗ですよ! ということで私はこのベルトを巻きたい。名乗りを上げます。ください!」と絶叫。続いて美闘が「今日は私が夏樹さんに勝ちました。私もこのベルトに名乗りを上げる義務があります」と主張する。すると世IV虎が「お前が赤いベルトって価値が下がるんだよ」と奈苗に言い放ち「ウチは白いベルトがほしい。白くて清潔感があって、純粋なベルトは自分にぴったりだと思いませんか」とアピールする。だが愛川が「世IV虎ちゃんに、こんなかわいいベルトは似合わないと思います。バスト106cmとか言ったって貧乳じゃん」と挑発。一触即発のムードになったところで星輝が「星形のベルトだから私がほしい」と空気を読まずに飛び込み、さらに岩谷まで「ここに羽がついてるから、私に一番ふさわしいんじゃないでしょうか」とアピールする。さすがに奈苗が「お前は最弱なんだよ」と叱責すると「後楽園で誰が一番強いか決めればいいんじゃ!」と絶叫して、締めに向かおうとする。ところが風香GMが「みんな興奮してるので、上半期最後と言うことで私が締めさせてもらいます」と立候補。「スターダムは7月10日の千葉大会を経由して、7月24日、初の後楽園進出となりました。成功させるために一緒に頑張りましょう」と噛みながらマイク。場内が微妙な空気に包まれ「今日は美闘だ!」との声も飛んだが「ウイアー、スターダム!」で大会を締めくくった。


★バックステージのコメント

 愛川「今日は2人で川崎葛飾最強伝説に勝つことができて、スターダムに新しい道が開けた最終戦だったんじゃないかと思います」
 美闘「最近は『世IV虎、世IV虎』だったので、やられっぱなしだったけど、ゆずポンが助けてくれて、本当にこのタッグでよかったと思います」
 愛川「また胸を潰してやるって言われて、禄軟骨にひびが入って、その状態で試合をしてたから、すごいつらいところがあったんですけど。今日も攻められて、今は興奮状態だから大丈夫ですけど、本当に心配ですけど今日は勝てたので。試合が一番なので、本当によかったと思います。二人の連係もかかと落としがバッチリ決まったので、もっとお互いに蹴りを使うので、私たちにしかできない力のある蹴りで、BYで頑張っていきたいと思います」
 ――BYは決定ですか?
 愛川「かっこ仮で(笑)」
 ――先輩に勝てたのは大きいですか?
 美闘「体格が違うので、そこを活かして。だいたいフィニッシュ技は分かってるので、モモラッチも送ったり、最後も私の方が腕が長いからキャッチして……」
 愛川「ああするとは思わなかったので、びっくりしました。最後の方は危険だなと思ってたけど、最後は巻き返してくれたので。やっぱり陽子ちゃんは持ってるなと思いました」
 ――最強タッグを倒しましたが?
 愛川「はい。でも私たちはまだまだだと思うんで。もっとこれからのタッグチームとして、これからどんどん進化していきたいと思います」
 ――新設されたベルトのお披露目がありましたが?
 愛川「絶対ほしいです。最初はグラビアの人がプロレスやってると思われて、今でも思われていて。でもベルトを取れば、そういうのも変わると思うんです。プロレスラーになったからにはベルトを取りたいと思っていたので。まさかこんなに早くチャンスが来ると思ってなかったので、やる気になりました」
 美闘「ゆずポンは白ですか?」
 愛川「純粋な白で」
 美闘「私は奈苗さんを潰したいんで、赤で。赤が好きなので、奈苗さんじゃなくて、私も赤が好きなので、絶対に赤がほしいです」
 観戦に訪れていたブル中野さんが、インタビュールームに現れ2人を激励。
 ――白いベルトに世IV虎選手が名乗りを上げましたが?
 愛川「世IV虎選手とシングルでやったことが無いので、選手としてはすごい選手というのは見てて分かるし、いつか戦ってみたいと思っていたし、負けたくない気持ちがすごいあるので戦いたいなと。でもビジュアル対決っていうのは、マスコミさん的にもビジュアル(?)対決みたいについちゃいそうなので(笑)。そういうのはいらないから、ベルトを懸けて戦いたいと思います」
 ――タッグ2戦目で手応えは?
 愛川「前回は初めてのタッグで反省点が多かったんですけど、今回の方が連係とか気持ちもだいぶ近づいてきたと思います」
 ――お互いに声を掛け合っていたのは?
 愛川「意識してたし、もっと頑張れという意識も自然に沸いてきました」
 美闘「ゆずポンは今、ノリに乗っているので。その勢いを私ももらって元気よくできてると思います」

 ――まさかの敗戦ですが?
 夏樹「まぐれ、まぐれ。気を抜いていたわけじゃないけど、隙を突かれました」
 ――スターダムで後輩に負けたのは初めて?
 夏樹「初めてですよ。蹴りしかできないヤツだと思っていたから、蹴りは警戒してたけど、まさかたいよう(ちゃんボム)を切り返されるとは。やっぱり研究してきたんじゃないですかね。まだ認めてないですけど」
 ――黒星がついてしまいましたが?
 世IV虎「だからってエースとか違うでしょ。負けると思ってなかったけど、まぐれとしかいいようが無いです。もっとちゃんとした勝ち方してからエースを名乗ってほしいかな。まだ自分たちが一番だと思ってるから」
 ――再戦を希望しますか?
 夏樹「スターダムのタッグチームと言ったら川崎葛飾だと思うんで、調子に乗ってられるのも今のうちじゃないですか」
 ――ベルトが新設されましたが?
 夏樹「自分は今、ハイスピードを取り戻すのを第一に考えてますが、後々は自分たちが総なめにしちゃえばいい。余裕っしょ」
 世IV虎「自分は白いベルトを巻きたいんで。巻きたいというか、自分の物なんじゃないかって」
 夏樹「世IV虎にしか似合わないよ」
 世IV虎「純白の清潔感あるベルトだから。この特攻服に合うんじゃない」
 ――愛川選手が名乗りを上げましたが?
 世IV虎「無理でしょう。あいつには合わない。ベルトじゃない。やっぱ合う人、合わない人がいますから。自分が一番合うんじゃないですか」

★大会終了後

 ――売店も盛況でした。
 愛川「ありがたいです。私も売店にいるときが一番幸せなので。今日もケガなく勝って終わることができて幸せです」
 ――ゆずポン祭りのポスターも販売されてましたが?
 愛川「みんな買ってくれて。それも貼る用と保存用で買ってくださった方もいて。ゆずポン祭りに向けて『やるぞ!』って気持ちになってきました」
 ――胸の負傷は?
 愛川「大阪で世IV虎選手のセントーンを食らって骨にヒビが入って。治るんだけど、試合をすると痛くなるの繰り返しで。今は興奮状態で大丈夫だけど、明日は怖いなと。後楽園ホールまで1カ月あるからベストの状態に調整して。DDTさんの両国大会もあるから、ベルトもあるみたいだし頑張りたいと思います」
 ――流血もしてましたか?
 愛川「なんか終わった後に真っ赤になって。大丈夫かな。コスチュームにも取れなさそうな、どこでついたか分からない汚れとかあって。よっぽど私の胸が嫌いなんだなと思いました。本当に痛いです」

 愛川&美闘は初戦で勝利を収め次戦は川崎葛飾と対戦へ

スターダムSeason2『grows up stars2011』
◆6月12日(日)東京・新木場1st RING(12:30)
観衆315人(満員)

▼オープニング&脇澤美穂あいさつ

 ダンサーに続き、風香GMが踊りながら登場。「ご来場ありがとうございます。みなさんのおかげを持ちまして、スターダムは6カ月目に突入しました。これから暑い季節になりますが、便乗して熱い団体にしていきたいと思います。第一試合からプレデビュー戦の鹿島沙希が奮闘しますので、温かいご声援よろしくお願いします。」

 続いて脇澤美穂が呼び込まれ、入団の挨拶。「どうも脇澤美穂です。知ってる人も知らない人もいると思いますが、10年前にプロレスをしていました。スターダムでプロレスをまたやらせていただくことになりました。応援よろしくお願いします。」

▼プレ・デビュー エキシビションマッチ3分間
 鹿島沙希(0-0)夏樹☆たいよう

 デビュー前から人気を集めている練習生・鹿島がプレデビュー。試合前には紹介VTRが流れ、Tシャツ&ジャージ姿でリングに上がった。対戦相手は憧れの選手であり、コーチとしてイチから教わってきた夏樹が務めた。

 先にタックルを仕掛けた鹿島だが、夏樹はテークダウンを許さず、上に乗る。グラウンドの攻防が続き、鹿島は逆エビ固めに捕まってもギブアップしない。終盤、首投げ、スリーパー、ドロップキックと攻め、最後は腕ひしぎ逆十字固めへ。腕を伸ばすことはできなかったが、ゴングが鳴っても離さず、勝利への強い気持ちを見せた。

 26日のデビュー戦ではプロテスト合格時に希望した高橋奈苗との対戦が決定している。

★バックステージのコメント

 鹿島「相手のペースにのみ込まれないようにって思っていたんですけど、圧倒されてしました。でも、気迫とか見てほしいところは出せたと思います。3分は最初は緊張で長く感じたんですけど、あっという間に終わってしまいました。(腕を離さなかったのは)自分が最後に(勝利を)獲りたかったので悔しかったです。(デビュー戦に奈苗を希望したのは?)奈苗さんは大きな壁。自分は最初から壁を越えていきたいと思い、戦いたいと希望しました。(映像で見せたリングコスチュームはフリフリだったが?)アイドルは目指してないです(笑)。試合で見てもらって、そういう部分で応援してもらいたいです。」

▼20分1本勝負
 世IV虎(11分17秒/ネックハンギングボム→エビ固め)須佐えり

 わずか3日しか誕生日が違わない同い年対決。久し振りに同期と対戦する須佐は「Challenge to enemyで学んだことを活かして勝ちたい」とリングへ。世IV虎は「学校行ってる時点で自分に勝つのは無理」と余裕を見せていた。

 サミングやヘアー投げ、顔面ウオッシュとラフで世IV虎が試合をリード。丸め込みから女子高生固め、さらに腕交差式のサーフボードストレッチで攻め込まれたが、ショルダータックルの連発で吹っ飛ばして再び世IV虎が流れをつかむ。セントーンをかわされ、スイングDDTのように丸め込む首固め、スクールボーイなどであわや3カウントというピンチに見舞われたが、須佐が距離を置いたところでラリアットを放ち、串刺しボディアタック、リフトアップスラム、セントーン、ネックハンギングボムで沈めた。

▼キッズ・ファイト~夢のプロレス物語~3分1本勝負
 夢(時間切れ引き分け)チェリー

 ファンタジー戦士のチェリーが初参戦。今回の対戦も夢に対し「久々に同年代の選手と戦えて嬉しい」とヤングをアピールする。夢は試合前のインタビューで「本当はどういう年齢かわからないですけど、絶対に同じ世代じゃない」と厳しい表情だった。

 チェリーは「年齢の近いハルちゃんと試合ができて、とっても嬉しいです。私たち若い2人で女子プロレスの未来のために、正々堂々と試合しましょう」と握手を求める。しかし、すぐに腕を捻り上げる非道っぷり。丸め込み、ミドルキックの連発を浴びたが、サミングで流れを変え、腕を捻りあげてリングに顔をたたきつけた。さらに腕を踏みつけて見下し、場内のブーイングにも涼しい顔。夢はアームドラッグから619、サッカーボールキックと反撃し、ヤングキックもギリギリでかわす。ダイビングクロスボディアタック、封印したドリームキックの代わりに使い始めたシャイニング式の新技キックと攻め込んだが3カウントは奪えず、時間切れに終わった。

★バックステージのコメント

 チェリー「普段から一生懸命練習しているのが伺える激しい試合となりましたね。キックが超強いんですよ。見たことないキックとかあって、すごいなって思いました。4分あれば勝てると思うんですけど。(若さの秘訣は?)若い世代が盛り上げていかないといけないと思うので、その気持ちですかね(笑)。」

 夢「チェリーさんはどんな試合するかわからなかったんですけど、激しいところもあったし、丸め込みも多くて、意外と大変な試合でしたけど楽しかったです。(同世代と言っていたが?)それはあまりわからなかったんですけど、気にはしなかったです。若さは感じられなかったんですけど、わかったような気もします。次も激しく戦える選手と試合したいです。」

▼30分1本勝負
 夏樹☆たいよう(14分28秒/トリプルたいようちゃん☆ラ・マヒストラル)星輝ありさ

 ゴング前に星輝がドロップキックで奇襲。夏樹がロープ間を走り回り、スピードで翻弄する。しかし、星輝も負けないスピードを見せ、重いサッカーボールを浴びると、お返しの蹴りは速射砲。アキレス腱固めの掛け合いでは負けん気の強さを見せ、足を交差させた変形の足固めでは「ちぎれる~」と悲鳴をあげながらも「絶対にギブアップしない」とロープエスケープした。蹴り足をキャッチされても倒れずにバランスのよさを見せ、張り手、二段蹴りの連発と反撃。場外に落とすと、エプロンから二段蹴りで飛んだ。ドラゴンスクリューを食らってもイグチボムは髪の毛を掴んで阻止。キャッチ式延髄斬りを見舞った。しかし、ブラジリアンキックはかわされ、ジャーマンで投げ捨てられる。カウンターのミドルキック、サンセットフリップ、ブラジリアンキックと畳み掛けても3カウントは奪えず、1399はすかされてしまった。ソバット、ミサイルキック、フロッグスプラッシュはカウント2で肩を上げたが、最後は丸め込みの攻防で敗れた。

★バックステージのコメント

 夏樹「新たにハイスピードの卵を発見した気分ですね。すごいや、動けるし。シュートボクシングをずっとやっていたから一撃必殺(の蹴り)も持っているし、面白いですね。美闘陽子より面白い選手になるんじゃないですか。エースも全然狙っていけると思いますよ。今日は川崎葛飾でメインに出られなかったですけど、お互いシングルマッチでも前半戦、川崎葛飾で盛り上げていこうと思っていたので、この後メインがどんな試合をするのか、楽しみですね。(美闘&愛川が始動するが?)まあ、いきなり組んでうちらと当たっても結果が見えちゃってるんでね。(メインは)せいぜい練習試合でいいんじゃないですか。そこで結果を出してからでしょ。」

 星輝「前回のタッグで当たった時は夏樹さんのムーンサルトで一時停止しちゃって、本当に悔しかったんですよ。でも、今回は絶対に一時停止したくないって思っていて、もう一回同じ所をみんなに見せたくないって思って頑張りました。でも、最後の丸め込みを返せなかったのがすごく悔しいです。意味わかんない足の極め方をされて、本当にちぎれるかと思って。でも、そんなことされても(その後の)蹴りはきれいに決められたと思うし。ただ、1399をああいう風にすかされると『ああ、すかされた』って気持ちになっちゃって。すごい悔しかったです。(夏樹からハイスピードの卵と評価されたが?)最近、自分が落ちてきてる様な気がして、大丈夫かなって不安だったんですよ。でも、そんな風に言っていただけたなら、すごく嬉しいです。じゃあ、その卵の殻を破れるように頑張ります。」

▼Kちゃんパンダ・インタビュー

 「目指せ、No.1アイドルレスラー!」と紹介されて登場したのは世IV虎。「アイドルに必要なことは?」「睨み、目力」、「葛飾のいいところは?」「寅さん、こち亀」など質問に答えた。また、お天気お姉さんとなって「明日の天気は雨、理由は梅雨だから。以上」と決めてみせると、風香GM&夢の暴露タイムへ。元ヤンキーらしい裏話や秘密の日記について明かされた。さらに「いつものお願いします」と一方的に『会いたかった』(AKB48)の曲を流される。世IV虎は嫌がる素振りを見せながらも、思いっきり踊って見せ、最後に今後の目標を聞かれると「No.1アイドルレスラーだよ!」と宣言。大歓声を浴びた。

▼30分1本勝負
 愛川ゆず季&○美闘陽子(22分9秒/ドールB→体固め)高橋奈苗&●岩谷麻優

 奈苗から離れ、新タッグを結成した愛川と美闘の第1戦。「ビジュアル・ドリームタッグ」と紹介され、愛川はこの日からコスチュームをスカート型に変えた。会場隅から夏樹、世IV虎が見守る中、試合開始のゴングが鳴った。

 序盤は愛川組が岩谷を痛めつけてペースを握る。コーナーに控える奈苗は早くもいらつきを隠せない。奈苗に変わると反撃開始。岩谷とサンドイッチドロップキックをきれいに決めるなど、連係のよさを見せ、奈苗が美闘を攻め立てた。愛川がキック、スリーパー、首4の字固めで奈苗を絞めあげたが、ショルダータックルで吹っ飛ばされ、吊り天井に捕まる。しかし、ダブル攻撃を同士討ちにさせ、岩谷をコーナーに逆さ吊りにすると、美闘のジャンピングニー、愛川のゆずポンキック・レッドと串刺しのトレイン攻撃。さらにSTFで絞めあげた。奈苗を場外に落とすと、エプロンから飛んでゆずポンキック・レッド。リングに戻ってから三段式キックを放ったが、アルバトロスで捕獲され、助けに入った美闘も捕まり、同時に足を極められた。その上から岩谷がボディプレス。愛川は奈苗の冷蔵庫爆弾をかわしてラ・ゆずヒストラル。さらにゆずポンキック・レッドで仕留めにかかる。これはショットガンΩに切り返されたが、美闘が助けに入り、ゆずポンキック・ブルー、シャイニングゆザードを決めた。美闘は二段蹴り、ブレーンバスターを奈苗に浴びせながらも、奈苗に雪崩式ブレーンバスターで投げられてしまう。しかし、岩谷がミサイルキックを奈苗に放ち、倒れた美闘に奈苗をぶつける乱暴な合体攻撃。これに怒った奈苗が、岩谷を美闘の上にブレーンバスターで投げた。追い込まれた美闘は岩谷のウラカンラナ、奈苗の延髄斬り、岩谷のダブルリストアームサルトと苦しい展開が続く。起死回生で狙ったドールBもかわされ万事休すかと思われたが、奈苗の放ったミサイルキックが岩谷に誤爆。愛川&美闘は岩谷に狙いを絞り、サンドイッチ・サッカーボールキックを放つ。これはタイミングがずれて失敗したが、美闘がジャーマンで投げ捨て、奈苗のクロスボディアタックは愛川とダブルの前蹴りで撃墜。岩谷を孤立させ、美闘の二段蹴り、美闘を踏み台にした愛川のゆずポンキック、美闘のドールBと畳み掛けて、岩谷を沈めた。

 愛川「勝ったぞ! キックを使う者同士、連係もまだまだ未熟だと思うんですけど、どうでしたか? これからもこのタッグで戦っていきたいと思います。」
 美闘「私もすごくやりやすかったので、このまま組ませてください。」
 愛川「このタッグ、歴史に残るような素晴らしいタッグにしようと思い、タッグ名を1人で考えてみました。まだ仮なんですけど、BY砲ってどうですか? (観客の反応が)なんか微妙みたいなので考え直します。」
 奈苗「そんな微妙な名前は認められないんだよ! お前らのタッグなんて微妙なんだよ! 私をのけ者にして。その辺からして微妙なんだよ! でも、あんたたちがそっちに行ってくれたおかげで、こっちにはいいパートナーができたから。麻優、今日あんたの頑張りを見たし、このチームに可能性を感じた。なので、私はすでにタッグ名も考えてきました。そのタッグチーム名は…。」
 岩谷「(奈苗からマイクを奪い取り)すみません。自分には組みたいと思っている人がいるので。」
 奈苗「はあ?」
 愛川「高橋さん諦めてください。私たちのタッグは次、川崎葛飾と戦いたいと思います。この調子で勝ち進んでいきたいと思います。」
 夏樹&世IV虎がリングに上がる。
 世IV虎「お前ら、一回勝ったくらいで、何でかい顔しちゃってるわけ? いい気になってるみたいだけど、お前らのタッグは26日で終わりだから。」
 奈苗「そうだそうだ!」
 世IV虎「お前(奈苗)もだよ! お前は新人とやってる方が似合ってるの。」
 美闘「今日は私たちが勝ちました。(世IV虎に向かって)でかい顔してるんじゃねえよ!」
 最後は愛川が夏樹&世IV虎を後ろに追いやり、美闘の音頭で「今を信じて、明日に輝け! We are STARDOM!」で締め括った。

★バックステージのコメント

 愛川「自分から言ったタッグなので絶対に勝たないとっていう気持ちと、お客さんの期待もあったので負けられなかったです。未熟な部分が目立ってしまったけど、これからも頑張っていきたいなって思いました。」
 美闘「今日、(息が)あわない技もあったんですけど、26日は勝ちたいので、それまで練習してきます。よろしくお願いします。」
 愛川「(奈苗と組まなかったのは?)高橋さんは強いってわかってるんですよ。勝つことには一番の近道かも知れないけど、あえて新人の中から陽子ちゃんかなって。世IV虎ちゃんの勢いを止められるのは他にいないって思いました。スターダムでの私の立ち位置とかわからない部分もあったので、これからもっと頑張っていきたいなって思います。」
 美闘「タッグで勝ったのが初めてなので、ゆずポン効果が初戦から出たと思います。次も楽しみです。」
 愛川「このタッグは大事にしていきたいので、次はチーム名を2人で考えて、いい名前で世間のみなさんに知ってもらいたいですね。陽子ちゃんはすごい蹴りを持ってるので、2人でスターダムを盛り上げていきたいなって思います。」
 美闘「ゆずポンはグラレスラーとして人気があるので、その勢いに乗ってかって、一緒に頑張っていきたいです。」

 奈苗「悔しいですね。悔しいことが何個かあって、まず一番にはあいつらに負けたこと。前回、私をのけ者にしたあいつらをギャフンと言わせるには私が勝つしかなかった。ですけど、最後に仕留めきれなかったことが悔しい。あとは麻優。私、麻優とだったらシングルやった時の絆もあるし、タッグでやっていけると思って、今日組んで、タッグ名だって考えてきたんだよ。何なの?」
 岩谷「すいません。っていうか、あの手紙は自分が書きました。」
 奈苗「手紙って会見の? あんたが書いたの? 書いてないって言ったじゃん。」
 岩谷「成り行きで…。失礼かもしれませんが、自分は山口から上京してプロレスラーとして人生を歩んでいきたいと思ってやってきました。でも、目指しているのは奈苗さんのスタイルではないんです。もちろん、奈苗さんには素晴らしいところもあるので、そういうところは盗んでいきたいと思っているんですけど、それは自分の人生の中で違うので。本当に組みたい人がいるので、すみません。」
 奈苗「振られたってことですか?」
 岩谷「はい。」
 須佐が「すみません」と現れる。
 奈苗「何? タッグ? 私と組みたい?」
 須佐「いえ、私は岩谷麻優とシングルがやりたいです。未勝利同士、シングルをやって勝ちたいです。」
 奈苗「私にタッグの申し入れじゃないの?」
 岩谷「確かに未勝利同士なので…でも、絶対に負けません。須佐えりに負けたら本当にイチから出直しなので。」
 須佐「私は外敵戦で岩谷よりプロレスを学んでると思います。」
 岩谷「でも、メインに出たことないよね? 勝ったことはないけど、メインに出てるの。」
 奈苗「ドングリの背比べだよ! どっちでもいいよ。やれやれ、勝手にやれ。」
 岩谷「はい、勝手にやります。ありがとうございました。」
 奈苗1人だけが残される。
 奈苗「何? 出て行っちゃって。誰かタッグ…。タッグ組みます、あべさん? デビューして。」
 あべ由紀子キャスター(Sアリーナ)「いやいや、奈苗さんと組めないです。」
 奈苗「はあ? 何で?」
 あべキャスター「倒したい方だと思うので…。」
 奈苗「倒したいって何? 言ったな。Sアリーナに乗りこむからな!」
 あべキャスター「奈苗さんは1人でも生きていけると思うので大丈夫です。」
 奈苗「仲間が欲しい…。」

 この日の結果を受け、26日のカードとして高橋奈苗vs鹿島沙希、岩谷麻優vs須佐えり、夏樹&世IV虎vs愛川&美闘が決定した。

 打倒・川崎葛飾にゆずポン&美闘がタッグ結成へ

スターダムSeason2『grows up stars2011』
◆5月29日(日)東京・新木場1st RING(12:30)
観衆355人(超満員)

▼オープニング

 ダンサーによるパフォーマンスの後に風香GMが登場。「今日は雨の中、たくさんのご来場ありがとうございます。今日でスターダムは10回目の大会を迎えることができました。こんなにたくさんの方が来てくれたので嬉しいです。元気いっぱい弾けまくりたいと思います。選手も元気いっぱいのファイトを見せてくれると思うので、みなさん盛り上がっていってください」。

▼須佐えりChallenge to enemy20分1本勝負
 松本浩代(13分41秒/東海道落とし→片エビ固め)須佐えり

 先に入場した初参戦の松本は須佐から視線を離さない。しかし「女人間発電所」のコールには戸惑い、苦笑いした。須佐のドロップキックを受け流した松本は髪の毛を掴んで投げ捨て、リストロック、ボディスラム、ニーロック、STFで優勢に試合を進める。「高橋奈苗の遺伝子と意識して試合をする」と語っていた松本は、セコンドについていた奈苗に「うるせぇ!」とけん制するなど、意識しながら試合を展開した。ドロップキック一発で倒し、須佐のドロップキック3発を浴びても倒れない。女子高生固めを決められると「何が女子高生だ!」「クソガキ!」と怒りの反撃。コーナーに頭をぶつけていった。逆にコーナーの金具に頭をぶつけられ、エプロンでDDTを食らったが、スイングDDTは許さず投げ捨てると、容赦なく顔面に蹴りを入れていく。諦めずにエルボーで攻めてくる須佐をショルダータックルで倒すと、シュミット式バックブリーカーから逆エビ固めで絞め上げる。スクールボーイからアンクルロック、DDT連発、スイングDDTと反撃を許したが、コーナー2段目からのミサイルキックで形勢逆転。串刺しボディアタック、抱え式バックドロップをカウント2で返されると、東海道落としでトドメ。松本は奈苗を指さしながら3カウントを入れ、試合後はにらみ合った。

★バックステージのコメント

 松本「まあ、勝ちは当然です。須佐選手はデビューしたばかりですけど、もっと怖さというものをつけて(危機感を感じさせて)ほしいなって思います。もっと強くなるように勉強してください。まだちょっとしか(高橋奈苗の元に)いないせいか、高橋奈苗の血の1ミリも感じなかったですけど、それでも自分の中で高橋奈苗は絶対的な存在なので。去年の(NEO)川崎大会、自分の不甲斐なさでああいう試合になってしまって、高橋奈苗にもモヤモヤした気持ちで終わらせてしまった。償いの気持ちもある。自分はOZのタッグベルトを持っています。このタッグベルトはトップのベルトだと思っているので、それ獲った自信もあります。逃げるなとは言わない。自分は待っている身なので、振り向かせて、高橋奈苗の気持ちを自分に向かせたいと思います。スターダム以外にも高橋奈苗の首を狙っている選手がいるとわかってほしかったので、ああいうアピールになりました」。

 須佐「思っていた以上に強かったので、最初はやり返すこともできず、反省点と悔しい思いがあります。(エプロンでの)DDTは怖かったんですけど、お客さんも喜んでくれたし、ダメージを与えられたと思います。でも、(対戦相手に)ビビってる自分が60%くらいだったので、それを0%に変えたいと思います」。

▼キッズ・ファイト~夢のプロレス物語~3分1本勝負
 夢(時間切れ引き分け)美闘陽子

 開始早々、蹴りで美闘を倒した夢。サッカーボールキックは蹴り足をキャッチされ、押し倒されたが、逆エビ固めは小さい体を有効に使って逃げる。キャメルクラッチから鼻フックで捕まると、場内はブーイング。ファンの後押しを受けた夢が逆片エビ固めからキャメルクラッチ。もちろん、鼻の穴に指を引っかけてお返しだ。ブレーンバスターをスリーパーに切り返し、髪の毛を掴んで投げ捨て619、さらにコーナー最上段からクロスボディアタックを決めた。最後に夢が新技(変形シャイニングウイザード)を放ったところで時間切れのゴングが鳴った。

★バックステージのコメント

 夢「すごく蹴りとかでやりあいになって、すごいよかったし、これからもやっていきたいと思います。(ああいうスタイルが目標?)そういうのに憧れているというか、そういう気持ちはあります」。

▼20分1本勝負
 愛川ゆず季(9分18秒/シャイニングゆザード→片エビ固め)岩谷麻優

 岩谷がスピードで愛川を翻弄。右足に照準を絞って攻めていく。ロープを使い、ドロップキックも右足へ。徹底した攻撃で愛川の右足を痛めつけた。クロスボディアタックを前蹴りで迎撃されSTFに捕まったが、ハイキック、水面蹴りはかわす。ゆずポンキック・レッドはまともに浴び、トップロープの反動を利用した後方回転の巻き投げは一度は失敗しまう。しかし、二度目で成功させ、逆片エビ固めで絞めあげた。さらに掟破りの逆ゆずポンキック・レッドも放ったが、コーナーに上がったところをハイキックで落とされてしまう。フィッシャーマンズスープレックスを首固めに切り返し、逆さ押さえ込みと粘ったが、コーナーからのクロスボディアタックはかわされてしまい、ゆずポンキックブルーを浴びる。これはカウント2で肩を上げるも最後はシャイニングゆザード。ヒザが完璧に顔面を捕らえる完璧な一撃で3カウントが入った。

 愛川「最初から足ばかり攻められてすごく効いたので、得意の蹴りをなかなか出せなかったんですけど、麻優が前回フォールしたゆずポンキック・ブルーを返してきたので、とっておきのシャイニングゆザードを出しました。(3カウントが)取れてよかったです。(完璧な一撃だったが?)はい、気持ちよかったです。(逆ゆずポンキック・レッドは)結構効いたんですけど、まさか出してくると思わなかったのでビックリしましたね」。

 岩谷「やっぱり蹴りは気を付けないといけないと思っていたので、研究していたんですけど、全部を読み切ることはできなくて、すごい何発か当てられてしまって、全部見切ることができなかったのが悔しいです。最後の蹴りで負けてしまって、自分の技もすごく失敗をしてしまって、ちゃんと相手にダメージを与えられなかったのがすごく悔しいです。もっともっと研究して、またゆずポンとシングルで戦って、次は自分が勝てるような試合にしたいです」。

▼スペシャルパンダ・インタビュー

 風香GMと一緒にリングに上がった夢は「ハルハルパンダっす。よろしくっす」と挨拶。プロテストに合格し、デビューを目指す鹿島沙希(デビュー日は未定)が初めて観客前にリングに上がった。「前日全然寝られなくて、すごく緊張していました。(最初に合格を報告した)お母さんにおめでとうって言ってもらいました」とプロテストのことや、「白とピンクのフリフリ」とコスチュームについて語った鹿島だが、夢から「さきちゃんの部屋って汚いんだって?」と厳しいツッコミを受ける。風香GMの差し金は明かで、この日も暴露が次々と行われた。部屋に貼ってある写真が「何で自分じゃないの?」と2人に攻められたが、最後は「精一杯頑張りますので、応援よろしくお願いします」とデビューに向けた意気込みを語った。

▼30分1本勝負
 長野美香(5分26秒/飛び付き式腕ひしぎ逆十字固め)星輝ありさ

 ゴングと同時に星輝が放ったドロップキック、ハイキックをかわした長野がタックルを狙う。グラウンドでアキレス腱固め、さらに早くも腕ひしぎ逆十字固めを狙ったが、これは星輝が慌ててエスケープ。飛びつきの腕ひしぎ逆十字固めを切り返した星輝は、ボディプレスからローキック連発。長野も互角に打ち合ったが、蹴り足をキャッチさせてからの延髄斬り、ドロップキック、串刺しのPKで劣勢に。しかし、倒れた状態から星輝の足をすくってグラウンドに引きずり込むとスリーパー、さらに再び腕ひしぎ逆十字固めを狙った。ローリングセントーン、ボディプレス、ボディブロー、張り手、ハイキック、ブラジリアンキックも浴びた長野だったが、コーナーに上った星輝をハイキックでたたき落とし、投げっぱなしジャーマン。最後は飛びつきの腕ひしぎ逆十字固めでタップさせた。

★バックステージのコメント

 長野「蹴りがすごい効きました。やばいですね。気を付けていたんですけど、やっぱり早いし、重いしで、危なかったです。私も負けじとちょっと対抗しようと思って蹴り返したんですけど…。(腕ひしぎは)なかなか取らせてもらえなかったんですけど、最後はきっちり取れてよかったです」。

 星輝「(長野のグラウンドは)研究してきたんですけど、腕を取られそうになった時とか、逆に取ろうとして防ごうとしたりしたんですけど、最後はやられてしまって。ちょっと悔しかったです。(長野の蹴りは)ビックリしました。でも、私の方が全然威力はあると思います。(腕ひしぎは)序盤に入りそうになったのは防げたんですけど、最後はジャーマンが痛くてボーッとしてるところを決められてしまったので、悔しいです。次に当たった時はグラウンドをもっと研究して、蹴りの威力をあげて勝ちたいと思います」。

▼スターダム最強タッグ戦2 30分1本勝負
 ○夏樹☆たいよう&世IV虎(26分54秒/イグチボム→エビ固め)高橋奈苗&●美闘陽子

 握手に応じない川崎葛飾最強伝説に奈苗が襲いかかって試合開始。チーム川口がダブルのドロップキック、サッカーボールを世IV虎にたたき込む。奈苗と世IV虎、奈苗と夏樹で激しくやりあい、奈苗が夏樹をキャメルクラッチに捕らえると、美闘がサッカーボールキックを放った。しかし、その後は美闘が捕まり劣勢に。世IV虎にエプロンで張り付けにされ、夏樹の蹴りを浴びた。重い蹴りで夏樹をふらつかせた美闘だが、流れを変えることはできず、夏樹の首4の字固めに捕まる。世IV虎に蹴りの連発を見舞ってようやく逆転。奈苗がミサイルキック、ワキ固めで世IV虎を攻め立てるも、再び美闘が出てくると世IV虎の目の色が変わり形勢逆転。夏樹も加わり、息の合ったコンビネーションで奈苗、美闘を苦しめた。美闘はドロップキック、二段蹴り、ハイキックを夏樹に見舞い、奈苗とチェンジ。リング中央で奈苗と夏樹が一歩も引かないエルボーを打ちあう。奈苗がショルダータックル、バックドロップと攻めても、タイミングよく世IV虎が助けに入り、奈苗に串刺しボディアタックを決めた。奈苗のワンセコンドを回避した夏樹だが、その後は防戦一方となり、動きが止まってしまう。しかし、三角飛びのクロスボディアタックでやり返して世IV虎とタッチ。奈苗の顔面に蹴りを放った世IV虎がヤンキー座りで中指を立てて挑発。怒った奈苗とラリアット合戦を展開する。途中までは互角に渡り合うも、これは奈苗が勝る。しかし、奈苗が世IV虎のネックハンギングボムをかわすと、美闘が背後からミサイルキック。美闘と世IV虎のライバル2人の攻防で意地をぶつけあった。世IV虎がバックフリップからセントーン狙うと、かわした美闘がハイキック。さらに奈苗とダブルのブレーンバスターを決めた。ドールBを世IV虎がブロック。夏樹が美闘へのダイビングボディプレスで飛び、ジャーマンで投げるもカウント2。夏樹が張り手、ソバット、イグチボムで美闘を追い込む。助けに入った奈苗が2人を場外に落としてトペを敢行。奈苗のリバースDDTと美闘の手刀の合体技、美闘のドールBで追い込まれた夏樹だが、ギリギリで肩を上げる。コーナーに上がった美闘を駆け上り式の巻き投げで投げ捨て、ムーンサルトプレスを浴びせる。世IV虎が奈苗にラリアットを放ち美闘を孤立させると、最後は合体のチンクラッシャーから夏樹のイグチボムで3カウント。最強伝説が連勝記録を延ばした。

 夏樹がマイクで「おい! 未完のエースさんよ。お前は永遠に未完のエースなんだよ!」と美闘を挑発。世IV虎は「今回も川崎葛飾、やっぱ最強じゃないすか! 川口とかほざいてるけど、そんなローカルな街、川崎葛飾がぶっ潰してやるよ。文句あるなら勝ってから言え!」と勝ち誇る。そこに愛川が入る。「一言言わせてもらっていいですか? 地名とかどうでもいいんです。いつもこの2人がメインで勝って締めて、私は面白くないです。なので、このままじゃスターダムがダメになると思います。陽子ちゃん、一緒にタッグを組んでこの2人をぶっ潰しませんか? 高橋さんはいろいろ面倒くさいんで…。フレッシュな2人で戦っていきたいなって」と美闘とのタッグを希望。世IV虎は「メインにも出てないのに出しゃばってんじゃねよ! 受けて立ってやるよ」と即答。「勝っちゃってウキウキなんで楽しく締めましょうよ」と全選手をリングに上げ「今を信じて、明日に輝け。We are スターダム!」で大会を締め括った。

★バックステージのコメント

 夏樹「最強ですね、やっぱり。勝ち続けてきたし、負けないですからね。スターダムのトップと未来のエースとか言われてますけど、うちらがトップとエースになった方がいいんじゃないですか?」
 世IV虎「もう、そうじゃないですか?」
 夏樹「まあ、結果を出してきてるんでね。文句があるなら結果を出してから言ってほしいし。(愛川の要求は)何でも来いって感じだね。とりあえず川口制覇」。
 世IV虎「これで後楽園はうちの18周年で決まりでしょ」。
 夏樹「いいね。自分も27歳記念で(笑)」。
 世IV虎「本当、うちのパートナーは親分しかいない。最高!」
 夏樹「超超超最高(笑)」。

 奈苗「悔しすぎる…。ああ悔しい。負けたこともそうだし、内容に関しても取れるところで取り切れなかったり、リードできなかったのが悔しいですね。悔しすぎる。常日頃、気持ち気持ち、パッションパッションって言ってるんですけど、その気持ちとともに、体力、技術、心、心技体。それが何より大事だし、プロレスは心技体以上のものを求めているので、私は…私もスターダムのみんなとしても、もっと取り組んでいかないといけない。問題があるなというか、私が毎回のように夏樹&世IV虎と戦っていますが、タッグでは勝てなくて、そろそろ白星を取って(チーム川口で)タッグ本格始動を思い描いていたんですけど…ゆずポンと組むの?」
 美闘「蹴りを中心とした愛川さんの方がやりやすいんじゃないかなって」。
 奈苗「同じスタイルが並んでも面白くないよ。私がダメだったの?」
 美闘「今日は私が足を引っ張ってしまったんで…。でも、愛川さんから話をいただいて、グラビアをやっていてビジュアルいいし、私もそちらの方に…」。
 奈苗「何で! プロレスはビジュアルじゃないでしょ!」
 美闘「蹴りと一緒にゆずポンと頑張っていきたいなって思います」。
 奈苗「面白くない、その流れ」。
 美闘「周りからしたら面白いと思うので。やっぱりプロレスは見せるものなので」。
 奈苗「そんなのわかってるよ!」
 美闘「やっぱりゆずポンの方が華があるというか」。
 奈苗「ふざけんなよ!」
 美闘「本当に世IV虎には勝たないといけないので」。
 奈苗「信じられない。どいつもこいつも頭おかしい。(近くに夢がいるのを見つけ)夢ちゃん、タッグ組もうか? パション! パッションある?」
 夢「はい…」。
 奈苗「じゃあ、タッグやるよ!」
 奈苗が退場。
 夢「自分はキッズファイターなのに、急でビックリしちゃって、今はちんぷんかんぷんでわからないです。まあ、タッグと言われたので、やるしかないなって思います」。

 “姐御”山縣を迎えた夏樹&世IV虎が快勝

スターダムSeoson2『grows up stars2011』
◆5月8日(日)東京・新木場1st RING(12:30)
観衆308人

▼オープニング

 ダンサーと風香GMのダンスで幕開け。風香GMが挨拶。「本日はご来場ありがとうございます。前回は試合中のケガでみなさんにご心配をおかけしてしまいましたが、幸い大事に至らず、今日は元気に復活しています。今日はより一層気を引き締めていきますので、ゴールデンウイーク最後の休日、楽しんで行ってください」。

▼須佐えりChallenge to enemy20分1本勝負
 中川ともか(10分48秒/フィッシャーマンズ・スープレックス・ホールド)須佐えり

 須佐の他団体選手にチャレンジする4戦目はこれまでで一番キャリアのある中川。須佐は「最強の相手」と意気込み試合に臨んだ。

 手を上げて力比べに挑むなど強気なところを見せた須佐だが、序盤から中川のペース。水を吹きかけられるなど、一方的にやられた。ドロップキックでやり返すも、すぐにカウンターのドロップキックを浴びてしまい、なかなかペースを変えられない。DDTで反撃し、女子高生固めからグラウンドに持ち込んでフォールするなど反撃するも、ミサイルキックから逆エビ固めに捕まる。「試合前に逆エビ固めで十分」と語っていた中川の逆エビ固めはロープに逃げ、DDTから丸め込みと反撃をするも、逆さ押さえ込みは阻止されてしまう。カウンターでエルボーを浴びると、網打ち式原爆固めに沈んだ。

★バックステージのコメント

 須佐「うまく入らない技が何回かあったので、うまくできなかった部分を最初から考え直して、次の試合では完璧にしたいと思います。(中川は)やっぱり今までの3人と違うっていうのか、リングに立った時から感じました。空気も威圧感も違うので、スタートから緊張していて、今までの人と違うなって。自分も威圧感に耐えられるかって心配でした。今の自分はもっともっと他の選手と戦わないといけないと思うし、今の時点で学べていない部分を試合の中から取り込んで、次の試合、次の試合って出していきながら成長していきたいと思います」。

▼キッズ・ファイト~夢のプロレス物語~3分1本勝負
 夢(時間切れ引き分け)夏樹☆たいよう

 当日発表となっていた相手は夏樹。夏樹は夢の好きな風香と肩を組み「2対1でやってやる」と精神的に揺さぶりをかけようとするも、夢のローキックを食らってしまった。「新しい戦いを見せていきたい」と語っていた夢は、リープフロッグを見せるなど、夏樹とハイスピードの攻防を展開。夏樹が「来い!」と手を高々と上げるも、夢は軽くジャンプしてその手をキャッチ。夏樹のローキックを連発で見舞う。ロープ間を何往復も走らせ、カニ挟みから卍固め、ソバットと攻め続け、逆エビ固めにつかまっても、すぐにロープに逃げる。鼻の穴に指を突っ込まれるなど屈辱的な攻めも受けたが、コーナーでミドルキックを連発し、ダイビングクロスボディーアタックも決めた。さらにシャイニングウイザード式のハイキックも決めたが、時間切れに終わった。夏樹は「ハイスピードやろうぜ」と声をかけた。

★バックステージのコメント

 夢「すごい楽しくて、(夏樹からは)ハイスピードが感じられました。(ハイスピードできた?)そうですね。(大人げない攻撃もあった?)大丈夫です。私もハイスピードのベルトに挑戦してみたいです。(夏樹とは)またやりたいと思います」。

▼30分1本勝負
 美闘陽子(9分13秒/ドールB→体固め)星輝ありさ

 極真空手vsシュートボクシング、蹴りを得意とする2人の初対決。まずはロックアップで力比べに挑んだ星輝だが、体格差もあり美闘に押し込まれる。グラウンドに引きずり込むとワキ固め、さらにスピニングレッグロック式に腕を痛めつけ、腹固めへ。グラウンドでは優勢だった星輝だが、スタンドで蹴りの攻防になると劣勢に。星輝が3発放つのに対し、美闘は1発で応戦。星輝は諦めずに攻め続けるが、美闘の重い蹴りに顔をゆがめた。「クソガキ!」(美闘)、「25!」(星輝)、「24だよ!」(美闘)、「間違えたんだよ!」(星輝)と言い合いながらエルボー合戦を展開したが、美闘の二段式ハイキックを食らう。スリーパーを凌ぎ、回転十字固めも決めたが、ハイキックの相打ちで同時ダウン。リバーススプラッシュ式でニードロップ、フットスタンプを決めた星輝は1399、さらにブラジリアンキックを決めるも、カウント3は奪えない。ジャーマンで逆転されると、ハイキック、ミサイルキックと畳み掛けられ、最後はドールBで力尽きた。

★バックステージのコメント

 美闘「私より細いので一撃で倒したかったけど、スピードもあったので手こずってしまいました。もっと私ができてないといけない。次回は秒殺で倒したいです。(星輝の蹴りは)一発目からフラッときて、連続でもらってしまって2発目ではフラフラしてしまったんですけど、いいところに入ってしまって…もっとちゃんと避ければよかったなって。スピードがある分、それに増して威力があったと思います。足が細い分、バーンって来ましたね。(今後は?)まだ何もできないので、奈苗さん、夏樹さんのような一人前のレスラーになれる様に頑張りたいと思います」。

 星輝「自分が攻めていた1399の後、ブラジリアンキックを決めて、そこで勝てると思ったんですけど、あっちは空手で強い成績を残しているので、そんな打撃じゃ負けねえよって感じだったので…悔しいです。ハイキックとかローキックがめちゃくちゃ痛くて、自分も超バンバンやったんですけど、やっぱり強いなって思いました。すごい痛くて、一回目の前が真っ黒になって、何が何だかわからなくなってしまったんです。リベンジしたいですね。痛いより悔しいの気持ちの方が大きいので、もっと強くなってからやりたいと思います」。

▼Kちゃんパンダのインタビュー

 久しぶりに見習いフウフウが登場し、隣にはサングラスをかけた夢GM。インタビューは高校に入学したばかりの星輝ありさが受けた。入場パフォーマンスについて「私の入場の時に元気になってもらえるように、ガンガン踊ってます」と明かしたが、フウフウから「勉強をしないで入場パフォーマンスのことばかり考えていた」と早くも暴露が。星輝は「見えないところで勉強していたはず」と言い返したが、フウフウは「たかり女王」「スターダムNo.1の大食い」など、次々と星輝の素性を明かした。無茶振りからAKB48「会いたかった」のダンスを披露し、最後は「元気でパワフルでおもしろいレスラーになりたい」と抱負を語った。

▼スターダム・スペシャル6人タッグマッチ30分1本勝負
 夏樹☆たいよう&○世IV虎&山縣優(26分30秒/ネックハンギングボム→エビ固め)高橋奈苗&愛川ゆず季&●岩谷麻優

 親分&子分は初参戦の“姐御”とともに白の特攻服で入場し、「函館」を追加した川崎葛飾最強伝説の旗の前でポーズを決める。

 スターダム初の6人タッグマッチは世IV虎と岩谷が先発。続いて山縣と愛川が同時にリングインし、お互い様子をうかがう攻防を展開し、奈苗vs夏樹へ。夏樹がスピードで翻弄する。世IV虎にチェンジし奈苗と髪の毛をつかみ合う。奈苗はカナディアンバックブリーカーに担ぎ上げ、コーナーに逆さ吊りにしてボディーアタックを見舞うと、パートナー2人を呼び込んでトレイン攻撃。しかし、トリプルドロップキックを世IV虎にすかされ、6人は場外へと戦いの場を移し3方向でやりあった。ぽぽぽぽーんの3人を並べたところで夏樹が三角飛び式プランチャ。リングに戻ってからは岩谷がローンバトルを強いられる。チェンジした愛川が山縣&夏樹にロー、ミドル、ハイの3連発をそれぞれに放ち、2人まとめてゆずポンスタナー。すかさず奈苗がクロスボディーアタックで2人まとめて倒した。愛川が山縣に蹴りを畳み掛け、網打ち式原爆固めで投げる。奈苗がタックル、バックドロップ、アルバトロスで追い込むも仕留めることができず、張り手、エルボーの打ち合いへ。奈苗がブレーンバスターで投げ、山縣は延髄斬りを放った。山縣とタッチした夏樹が奈苗の延髄斬りをかわし、奈苗は夏樹のダイビングボディープレスで足を立てる。夏樹組は山縣のリバースパワーボム&夏樹のフェースクラッシャー&世IV虎のチンクラッシャーの合体技を決め、夏樹が三角飛び式ムーンサルトアタックを決めた。しかし、奈苗はたいようちゃん☆ボムを許さずコーナーパットにたたきつけ、愛川のゆずポンキック、奈苗の冷蔵庫爆弾で夏樹を攻め立てた。ここで岩谷がタッチを求めると、奈苗はその気持ちに応えて岩谷に任せるも、ダイビングボディープレスを夏樹にかわされ、ドロップキック、ソバットとすぐに守勢に。愛川が助けに入り「ぽぽぽぽーん!」と3人同時にゆずポンキック・レッドを世IV虎に放つ。岩谷が世IV虎のバックフリップ、ラリアットと食らうと、奈苗が助けに入ったが、3人の合体攻撃を食らった奈苗が場外にエスケープ。岩谷は世IV虎のセントーン、ネックハンギングボムに沈んだ。

 世IV虎がマイクを握り「やっぱりうちらが最強じゃねえか。高橋奈苗とかなんですか? やっぱり葛飾川崎函館最強じゃないですか? あのうるさい教育係とか言って、うちらに負けてるし。まず話にならない。こういうタッグの方がしっくりするし、あの人と離れてせいせいしてます」と勝ち誇ると、夏樹は「今日は姐御、ありがとうございました。やっぱカッケーっす。これからも川崎葛飾函館で最強伝説を作っていきましょうよ。今日は姐御に締めてもらおうと思います!」と山縣にマイクを渡す。山縣は「みなさん、私がKAIENTAI DOJOの姐御こと山縣優です。今日、このリングに上がるにあたり、ツイッターやブログなど見てきました。私の出身地は函館じゃありません。北海道苫小牧市出身でございます。誰じゃ間違えたのは! 話が違ってくるぞ」と不機嫌に。慌てた夏樹は「自分は小川社長に聞いたんです」と弁明する。山縣は本部席の小川社長に向かって「お前な、9年もな…」と詰め寄るも「そうですね、取り乱しちゃいけませんね。9年前の話ですし、私とロッシーの関係なんて(今の)みんなわかってないし。あぁ、取り乱しちゃったよ…」とすぐに冷静に。「今日は第1試合からモニターで見てました。今日上がっていた選手、リングに上がっておいで」と呼び込むと、メインで負けた3選手を除くスターダム選手がリングに上がった。山縣は「自分は男子の団体にいます。その中で女子プロレス界は低迷していると話を聞きます。でも、今日は素晴らしかったですよね。いろんな団体がありますが、スターダムは未来があると思います。自分が言うんだから間違いありません」と初参戦となったスターダムについて感想を述べると「もし、親分子分が自分のことを必要と言ってくれるなら、いやお客さんがもう一度、自分にここに上がってほしいと言うならいうなら、自分はいつだって上がってやろうじゃじゃないですか」と再登場を約束した。

 最後は「いくぞ! 今を信じて!」(山縣)、「明日に輝け!」(夏樹)、「ウィー・アー」(世IV虎)、「スターダム!」(全員)で締め括った。

★川崎葛飾最強伝説のコメント

 山縣「面白かったぁ。初めはどうなるかと思ったけど、デビュー何カ月とかでしょ? でも、自分を(必要)言ってくれたので気持ちよくできました」。
 夏樹「さすが姐御っす。来てもらってよかったです」。
 山縣「あんた面白いね~」。
 世IV虎うなずく。
 山縣「口きいてくれないの?」
 夏樹「無口なんで。チーム名すみません」。
 山縣「自分はチーム名、思いついたんですよ。トラブルメイカー」。
 夏樹「あぁ、元祖(笑)」。
 山縣「みんな仲間に入れてあげるよ。素行不良でね、英語の方がいいでしょ。よろしいですか?」
 世IV虎うなずく。
 夏樹「似た者同士、気の合うところがあったと思います」。
 山縣「それって人生においてなかなかないよ。過去があるから今がある。今を雁張れば未来がある」。
 夏樹「ウィー・アー・スターダムですね(笑)」。
 山縣「でも、試合を見ていましたが、未来がある団体だなって。お世辞抜きで思いました。自分は普段クソミソ言うんで。自分もちょっと、その輪に入れさせてもらいたいと思うんですけど、スケジュールがあえばね。ぜひお願いします。我々の名前はトラブルメイカー、2にしとくか」。
 夏樹「はい、トラブルメイカー2で」。
 --山縣選手と組んだ感想は?
 世IV虎「やっぱ同じにおいがしましたね。さっきから姐御が言ってる様に、過去に同じにおいを感じました」。
 --対戦相手はアイドルと言ってましたけど。
 夏樹「アイドルいました?」
 山縣「自分は申し訳ないですけど、全然わからないです。なんか胸が大きいのがいたね」。
 夏樹「その人だけじゃないですか。ななポンはふざけんなと。今日負けて気付いたんじゃないですか」。
 山縣「でも、対角戦に立ったけど、奈苗さんに因縁があるわけじゃないので」。
 夏樹「姐御はうちらのものです」。
 山縣「じゃあ、一緒にトレーニングするか」。
 --初の6人タッグマッチだったが?
 夏樹「スターダムでやることがすべてが初めてのことが多いので、いろいろ挑戦したいし、スターダムは始まって少しですけど、差もでてきているので、競争の中でこれからも楽しみですね。人も増えていけば6人タッグマッチ2試合とかできるようになればいいと思います」。

★チームぽぽぽぽーんのコメント

 奈苗「ちょっと悔しい結果になってしまって…。何か姐御だか何だか知りませんが、山縣選手の独特の間にのまれてしまったところがあるかなって。あと、作戦をすごい考えてきたのか、チームワークが思った以上にすごかったですね。こっちも連係も何個か出したんですけど、快心の一撃まではいかなかったので。チームワーク的にもダメだなって。悔しいし、あいつらに負けたことが何より悔しいですね」。
 愛川「初めての6人タッグマッチで周りをいつもより見なきゃいけないということで難しかったんですけど、連係が向こうの方がよかったですね。私たちも考えていたんですけど、技の名前がぽぽぽぽーんだったので、タイミングが取りづらくて。そういう名前のところからですね。強いて言えばですけど」。
 奈苗「ちょっと! だって、タイミングはぽぽぽぽーんでしょ!」
 愛川「いや、違うタイミングだと思ってました。とにかく名前がちょっと」。
 奈苗「また!?」
 愛川「リングでは素晴らしいですけど、そういうセンスがちょっと…。次は名前をつけさせてもらえれば」。
 奈苗「言ったね! じゃあ、素晴らしいのを付けて、勝てるようにしてよ!」
 愛川「はい、頑張ります」。
 岩谷「自分は途中捕まってしまって、やられて、すごい悔しいし、自分が負けてしまったし、フォールを取られたし、いろいろ悔しかったです。あと、確かにぽぽぽぽーんはやりづらいし」。
 奈苗「お前まで言うな!」
 岩谷「すみません。でも、本音なんです」。
 奈苗「ぽぽぽぽーんで力を合わせようって練習したじゃん」。
 愛川「カメラの前じゃないと高橋さんに逆らえないので…」。
 奈苗「なんでよ! 心が通じてないね。心が大事だからね。ちょっと…そうね。そっか、そうか。考え直します。心だよね?」
 愛川「はい、頑張ります」。

 夏樹と世IV虎がシングルで絆深める。奈苗は急遽6人がけに

『ゴールデン・ウイークJAPAN応援LIVE』
4月30日(土)東京・新木場1st RING(18:00)
観衆285人

▼オープニング

 新しいダンスで開幕。途中からスターダム全選手を引き連れ風香GMが入場。「頑張れニッポン!」の横断幕とかけ声を決めた。風香GMが挨拶。「本来であれば3月12日に行われるはずの大会ですが、3月11日の地震の影響で延期となりました。そんな経緯なので、スターダムから日本を応援しようという特別興行となります。盛り上げていこうと思うので、楽しんで行ってください」。

▼須佐えりChallenge to enemy20分1本勝負
 水波綾(7分31秒/ダイビング・ギロチンドロップ→片エビ固め)須佐えり

 須佐の他団体チェレンジシリーズはチサコ、悲恋に続き、今回もセンダイガールズの選手。エルボーを打ち込むもびくともしない水波のショルダータックルで倒され、軽々と持ち上げられボディースラム3連発を食らう。ドロップキックでも倒せなかったが、エルボーをかわしてDDTで反撃。「あと1年ですよ!」と女子高生固め、さらにスイングDDTと攻め込んだが、肩固めにつかまり、スピアー、ダイビングギロチンドロップで力尽きた。

★バックステージコメント

 水波「まあ、何かね。(須佐は)もうちょっと体を作らないと。まだまだ自分の余裕は崩れなかったし、やっててケガするんじゃないかって、こっちが心配してしまったりとか。まだデビューして半年も経ってないので、これからだと思うけど、体は丈夫な方がいいと思います。スターダムは新しい感じがすごくするし、新しいことをやっていこうって感じたので、そういう中でやっていける環境が私はいいことだと思うので、これからだと思います。(須佐は)今日に限っては私の相手ではなかったですね。(気持ちは)もうちょっと出せたかなって。迷いながら戦ってるのか、行こうって気持ちはわかるけど、すべてが中途半端で。それは場慣れだと思うんですけど。そういうのができたら感情とか出てくると思います」
 
 須佐「やっぱり強かったです。自分もまだまだ体力がないので、もっともっと基礎体力を付けて、もう一度臨みたいです。今度こそ今までの3人に勝つくらいで。(水波は)2人より体格が大きいので、アンクルに入りたくても入れないくらいし、ガッチリ絞められたりしたので、今までの2人よりもさらに上にいるんだなって感じました。(次戦の中川は)今までの3人よりも強いし、3人よりも技のレパートリーが多いと思うので、今までの試合を見て、研究して、中川選手との試合に臨みたいと思います」

▼キッズ・ファイト~夢のプロレス物語~3分1本勝負
 夢(時間切れ引き分け)マスクド・ヒロヨン

 当日まで未発表となっていた夢の相手は「息吹」の文字が入ったオレンジのマスクを被った謎の選手。ヒロヨンは「子供が嫌い」とゴングと同時に攻撃。大人げなさを見せるヒロヨンにブーイングが飛ぶ。後頭部への蹴り、マウントでの張り手、エルボーを浴びたヒロヨンは髪の毛を掴み、顔を踏みつけ、さらに口に含んだ水を噴きつける暴挙。怒った夢はローキックの連打、619と攻めるも、ダイビングクロスボディーアタックはキャッチされ、バックブリーカーに返された。それでもウラカンラナ、ドリームキック、浴びせ蹴りと畳み掛けたが3カウントは奪えない。逆に変形のSTFに捕まったが、ロープに手を伸ばしたところで時間切れのゴングが鳴った。

★バックステージコメント

 夢「今日もすごくお笑い試合とまではいかないですけど、子供を嫌っていたみたいなんで…。(水をかけられたりして)嫌だったですけど、プロレスの厳しさなんですかね。(再戦は?)またしたいというほどではないですけど、どっちでもいいです」

 ヒロヨン「(夢は)いい選手だと思います。が、女子プロレスの厳しさは全然わかってない。テングになってると思うので、機会があればきっちりやりたいと思います。(ブーイングが飛んだが?)何でぇ。ただ小さいだけで、愛想もないのに。私の方が愛想あるのに(観客は)応援してくれなくて。全然わかってないなって。不満です。決着付いてないんで、いつか白黒つけたいと思います」

▼元気で行こう!奈苗JAPAN情熱注入EX5分1本勝負
 高橋奈苗(時間切れ引き分け)美闘陽子

 先発に名乗り出たのは美闘。ゴングと同時に奈苗がボディーアタック、ショルダータックルと短期決戦を狙う。美闘もサッカーボールキックの連発、スリーパーで反撃。リープフロッグで奈苗を飛び越し、ドロップキック、ミサイルキック、ニーアタック、ブレーンバスターと攻め立てた。バックドロップでやり返されても二段キック、ハイキックと畳み掛ける。ドールBはブロックされたが、直後の延髄斬りは美闘もブロック。ラリアット、延髄斬り、首固めをすべて跳ね返し、ジャーマンで投げ捨てた。最後にミサイルキックを放つも、時間切れに終わった。

▼元気で行こう!奈苗JAPAN情熱注入EX5分1本勝負
 高橋奈苗(4分40秒/ワンセコンド)岩谷麻優

 2人目の岩谷はカサドーラ、首固め、スクールボーイと丸め込みでの秒殺を狙うも、ウラカンラナを抱え式逆エビ固めに切り返されてしまう。顔面へのドロップキックからアバランシュホールド、全女式押さえ込み、ワキ固めで捕まったが、アームロックで反撃し、フライングネックブリーカーを連発。ダイビングクロスボディーアタックから三角絞めで攻めた。しかし、最後はウラカンラナを決めることができず、左腕を固めたショルダーバスター。逆さまのまま固められ、ギブアップした。

▼元気で行こう!奈苗JAPAN情熱注入EX5分1本勝負
 高橋奈苗(1分32秒/ショルダータックル→エビ固め)須佐えり

 2人を終えた所で突然「ちょっと待った!」と須佐と夢が乱入。「私たちにもやらせろ」と須佐が試合を始めてしまう。ドロップキック連発で倒せず、逆に追っかけ式のドロップキックを浴びる。DDTから再びドロップキックを狙うも、これは距離を間違え不発。この隙を突かれジャーマンで投げ捨てられた須佐はグロッギー。ショルダータックルで吹っ飛ばされると、フォールを返すことができなかった。

▼元気で行こう!奈苗JAPAN情熱注入EX4分1本勝負
 高橋奈苗(時間切れ引き分け)夢

 夢は試合前の「キッズファイトなので3分」というアナウンスに待ったをかけ「これはキッズファイトじゃない」とアピール。なぜか4分を主張して試合開始。クロスボディーアタックをキャッチされながらも丸め込みで切り返し、側頭部へ蹴りを連発。たまらず奈苗が場外にエスケープするが、他の選手が「逃げるな!」とすぐにリングに上げた。619、顔面踏みつけと夢が攻め続けるが、2発目の619を阻止した奈苗は肩に担ぎ上げてお尻ペンペン。夢は場外へ。またも他の選手が駆け寄るが、手を出すことはなく「大丈夫?」と心配した。奈苗が場外に追いかけてくると、夢は先にリング上に戻る。残された奈苗はリング下の選手たちから蹴りの嵐を浴びた。夢はドリームキックから卍固めでギブアップを迫り、浴びせ蹴り2連発、ミドルキックの嵐で攻め続ける。奈苗が自分の頬を叩きながらパッションアピール。夢も同じようにパッションを爆発させると、その張り手を奈苗の顔へ。スリーパーで振り回されながらも、ボディースラムを首固めに切り返し、側頭部への蹴りをクリーンヒットさせた夢だったが、3カウントを奪うことはできず時間切れとなった。

▼元気で行こう!奈苗JAPAN情熱注入EX5分1本勝負
 高橋奈苗(時間切れ引き分け)愛川ゆず季

 ゴング直後にハイキックからゆずポンキック・ブルーを見舞った愛川。コーナーに座り込んだ奈苗にローキックを打ち込んだが、網打ち原爆は投げられない。それでもSTF、ヘッドシザースで絞めあげ、そのままうつ伏せになって奈苗の顔をリングに何度もたたきつける。ドラゴンパンサー、カナディアンバックブリーカーに捕まり、串刺しボディーアタックを浴びたが、コーナーに上った奈苗にハイキックを狙う。これは落とすことができず、逆に吊り下げ式スリーパーに捕まった。ミサイルキックをかわし、ゆずポンキック・レッドを狙ったが、足をキャッチされるとショットガンΩを食らう。しかし、すぐに立ち上がった愛川は下段、中段、上段と蹴りを連発し、ゆずポンキック・レッド、網打ち式原爆固め、ラ・ゆずヒストラルと追い込む。延髄斬り、ショルダータックル、2段目からの冷蔵庫爆弾と攻められてもカウント2で肩を上げ、ゆずポンスタナー、ゆずポンキック・ブルーを放つ。攻め続けた愛川だが、5分で決めることはできなかった。

▼元気で行こう!奈苗JAPAN情熱注入EX5分1本勝負
 高橋奈苗(時間切れ引き分け)星輝ありさ

 最後に登場したのは星輝。コーナーに座り込み、疲労を隠せない奈苗に容赦なく蹴りを見舞っていく。しかし、振り回した手が奈苗の左目にヒットしてしまい、たまらず奈苗は場外へ。奈苗は左目が開けられない状態で試合を再開させた。ドラゴンスリーパー、アルバトロス、顔面への張り手から逆エビ固めと劣勢を強いられた星輝はブラジリアンキックを放って逆転。1399をクリーンヒットさせるもカウント3は入らない。延髄斬りをかわしてオクラホマロール、ドロップキックと星輝が攻める中、試合終了のゴングが鳴った。

 奈苗がマイク。「ありがとうございました。ちょっといいのをもらってしまって…あぁ悔しい。悔しいです。全部フォール取るつもりでいたんで。やっぱりあんたたちをなめてました。楽勝と思ってたけど、めっちゃきつかった。頑張ったで終わっても意味ないので出直してきます。これからもあんたたちに負けないように頑張るから。ここから熱を生んで、日本中、世界中に届けていきます。これからもよろしくお願いします」

★バックステージコメント
 
 奈苗「悔しい、悔しい悔しい悔しい。悔しい…。予想以上でした。なめてました。はっきり言って。努力し続けることが高橋奈苗のモットーでしたが、知らないうちにあぐらをかいていたんじゃないかなって思いました。今回の試合のテーマはどんな状況でも元気でいこうなのに、みっともない姿を見せてしまって。それが高橋奈苗らしいって言ったら言い訳になるし、かっこ悪いところから進んできているとは思うんですけど、今日は悔しすぎる。負けてないけど負けに等しい試合になっちゃって。お客さんにも申し訳ないし、悔しすぎる。もう、それしかない。でも、おこがましいですけど、3月に地震があって、日本中がいろいろ考えるきっかけになったというか、考えなきゃいけない。大きな震災で自分なりにも考えたし、毎日リングに上がれることは当たり前じゃないって思ったし、いろいろなことに感謝して、逆にリングに上がることしか私たちにはないので、ここから元気な姿を見せて、お客さんにパワーを与えることが仕事なんで。出直したいです。今年15周年。7月に向けて生まれ変わります。生まれ変わった高橋奈苗で出直しますので。ここから頑張ります。パッション。頑張ります。当たり前のことですが、それが大事だと思います。あの人たちは何なんでしょうね。デビューして10試合もしてないと思うんですけど、一人一人対高橋奈苗じゃなく、1人対4人が6人になり…。それが作戦だとしたらプロ魂が恐ろしいですね。自分もいつまでも一番上と思ってられないし、これから戦いはもっと激しいものになっていくと思います。手前味噌じゃないけど、スターダムの子はすげーと思います」

 美闘「一発目だったんですが、後の人につなげるじゃなく、自分のところで潰してやろうと思ってたんですけど、最後は頭を打ってしまってフラフラで…ミサイルキックができたのはよかったです。5分短かったです。次は決着がつくまでやりたいです」

 岩谷「陽子さんの蹴りを結構食らっていたので、丸め込みで勝てたらいいなって思ってたんですけど、うまくいかなかったです。途中、重たい技を食らって、すごく焦せりました。ウラカンが最後に失敗して決められなかったのが悔しいです」

 須佐「この4人が出てるのに、私が出てないっていうことにムカついて名乗りをあげたんですけど、秒殺的な感じで終わっちゃって悔しかったです」

 夢「須佐えり選手と一緒に出て行ったんですけど、今日こそ勝ちたいと思ってたのに、今日もドローだったので、次こそ勝ちます」

 愛川「序盤から顔を攻められましたね。アイドルの私の顔を攻めるのが奈苗さんのお約束みたいになってますが、5分じゃ足りなかったなって感じました。もっと詰め込みたかったです。この企画を考えたのは奈苗さんでなめられてると思ったし、4人抜きして『すごいですね』『頑張りましたね』って奈苗さんの自己満足にならない様に(私たちが)頑張らないとって思ってました。与えられたことを一生懸命やる程度では、アイドルでも崖っぷちになったので、もっと欲を出していかないといけないなって。プロレスでも崖っぷちにならないように頑張っていかないといけないなって思いました」

▼インタビュー

 Kちゃんパンダのインタビューは岩谷が登場。風香GMの暴露や夢のツッコミにたじたじとなっていた。

▼親分&子分=川崎葛飾最強マッチ30分1本勝負
 夏樹☆たいよう(17分33秒/たいようちゃん☆ボム)世IV虎

 スピーディーに動き回る夏樹を捕まえた世IV虎はラフファイトで反撃し、場外に連れ出す。客席内で引きずり回し、ひな壇席から転がり落ちた夏樹の髪の毛を掴み、イスや机にたたきつける。しかし、夏樹もやられっ放しではなく、花道でドロップキックを放つと、客席最上段からフットスタンプを敢行。リングに戻ってからは左足首を集中して攻めた。世IV虎はボディーアタックで跳ね返し、セントーンを落とす。プランチャ、ミサイルキックを食らっても、スイングスリーパーで振り回し、絞めあげていく。コーナー2段目からのセントーンはかわされ、長距離ダイビングフットスタンプを食らったが、ラ・マヒストラル、イグチボムはカウント2でキックアウト。バックフリップ、ダイビングセントーンを決めた。しかし、2発目は雪崩式アームホイップで投げ捨てやれ、三角飛び式ムーンサルトアタック、顔面へのソバットを浴びる。張り手の打ち合いとなるも、手数に勝る夏樹が打ち勝ち、最後はソバットからたいようちゃん☆ボムで仕留めた。

 夏樹がマイクを持つ。「世IV虎と初めてシングルで当たってみて、やっぱり改めて思った。川崎葛飾、最高だ! 世IV虎、これからも一緒にスターダムNo.1にしていこうぜ。それともうひとつ。高橋奈苗を倒すんだろ!」と世IV虎と握手を交わした。所属選手がリングに上がり、所属選手によるサインボール投げ。最後は夏樹の音頭で「ウイ-・アー・スターダム!」で締め括った。

★バックステージコメント

 夏樹「親分子分対決。親分の意地を見せておかないとね。初めて当たったんで。だいぶしんどかったです。スターダムでずっとメインを張ってきただけあるなって。やっぱり世IV虎とやってみて、スターダムの中心は川崎葛飾チーム最強伝説何じゃないかなって思いました。これからおどんどん突っ走っていきたいと思います。お互い奈苗さんを倒すっていいましたが、奈苗さん今日どうしたんですか? トップって行っておきながらたいしたし合いをしてないじゃないですか。気を抜いていたらいつで首を取りに行くんで。いつでも、今すぐにでもやりたいですね。うちら2人だけ今日(奈苗と)シングルをやってないんで。ぜひ、やらせてもらいたいです。(世IV虎は)人間として好きですね。前回、タッグマッチでやってから、自分は世IV虎を信じてた部分もありますが、お互い信頼してるので、今日さらに絆が深まったと思います。技とかプロレスってよりも、お互いの気持ちを確かめ合いたかったし、これからも組んでいきたいと思っているので、できるのか? どれだけ本気かっていうのを見たかったので、最後はああいう試合になったと思います。スターダムで一番って言ってますが、女子プロレス全体でもうちら以上のメインしてみろって言いたいです」

 世IV虎、奈苗と初タッグも「やっぱり夏樹親分と組みたい」

スターダムSeason2『grows up stars2011』開幕戦
◆4月24日(日)東京・新木場1st RING(12:30)
観衆305人(満員)

▼オープニング

 Kちゃんパンダはみずみずが休み。風香GMが「みなさんのおかげで無事に開幕シリーズが終了しました。女子プロレスブーム再来に向けてスターダムが先頭に立ってグイグイ引っ張っていけるように頑張ります」と挨拶。第2シリーズ開幕を宣言した。

▼キッズ・ファイト~夢のプロレス物語~3分1本勝負
 夢(時間切れ引き分け)ゆずポンマスク

 愛川ゆず季に憧れてプロレスラーとなった謎のマスクマンがデビュー。「お笑いマッチは嫌だ」という夢に対し、ゆずポンマスクはいきなりゆずポンマスクキックで威嚇。夢の蹴りラッシュに押されながらも、蹴り足をキャッチしてドラゴンスクリュー。逆エビ固めを狙う。これは小さな体を使った夢に阻止されたが、ゆずポンマスクはジャイアントスイングで回した。目を回した夢は立ち上がるとフラフラ。動き回る夢をつかまえることができないゆずポンマスクだったが、グラウンドに持ち込みSTF、ヘッドシザースに捕らえる。切り返した夢がヘッドシザースを決めながら足を固め、アームホイップから619。スリーパーで絞めあげた。ドリームキック、浴びせ蹴りを決めた夢はコーナー上へ。ダイビングボディーアタックで飛ぶもカウント2。ここで試合終了のゴングが鳴った。

★バックステージのコメント

 ゆずポンマスク「夢選手の闘志がすごく伝わってきて、リングってあまくないなって。今まで出してなかった技とか、最後はダイビングボディープレスとか出してきて。ビックリしましたね。(マスクは?)これが素顔なんで特に気になりませんでした」
 夢「すごく楽しくて、すごく疲れましたが、本当にいい選手です」
 ゆずポンマスク「勝てると思ってかかってきているので、すごく蹴りが凄かったです」
 夢「(ゆずポンマスクの蹴りは)涙が出そうなくらい痛くて凄かったです」
 ゆずポンマスク「これからも戦っていきたいなって思います」

▼須佐えりChallenge to enemy20分1本勝負
 悲恋(10分22秒/アンクルホールド)須佐えり

 序盤から悲恋がヒールファイトで攻め立てる。「何が高校生だ!」「クソガキ!」という悲恋に対し、須佐は「クソババァ!」とやり返すが、噛みつきで流れを変えられるなど、なかなか反撃に転じることができない。ドロップキックの連発からDDT3連発、女子高生固めを決め、さらにアンクルホールドへ。これは同じ技を得意とする悲恋が切り返したが、須佐が再び足首を取った。悲恋は顔面へのミサイルキックから飛びつきのアンクルホールドへ。これは須佐が潰してエビ固めでフォールするも、再び足首を捕まえられてタップした。

★バックステージのコメント

 悲恋「ちょっとクソババァって言われてビックリ(笑)。アンクルを出してきてね。関節をやってるのは聞いてましたけど、でも、まだまだ。(女子高生固めは?)あの技はなめた名前ですよね。でも、向かってきたんで面白かったです。まだまだですけどね。遊んでやった感じですかね」

 須佐「やっぱりアンクルでは勝てなかったです。うまいなって思いました。自分が頑張ってると言っても、まだまだだって思い知らされました。技で負けても元気とパワーと若さでは負けたくないです。(次は水波戦だが?)水波さんはがたいがよくて、何倍も自分より体が大きい選手なので、一滴も残らないくらいすべてを振り絞っていかないと敵わないと思います。自分の今できる技をきれいにできたり、ちゃんと決まるように磨いていきたいと思います」

▼インタビュー

 恒例のインタビューコーナーは試合直後の須佐が足を引きずりながらリングへ。「今日もこってりやられてましたね」という風香GMの厳しい一言でスタート。チャレンジシリーズに対する意気込みや、岩谷との確執について語った。助っ人の夢が「プライベートでは?」などツッコミで沸かせる場面も。恋愛の話題になると風香GM&夢の追求が激しくなったが、犬の鳴き真似では大きな拍手を浴びた。

▼スターダム・スペシャル3WAYマッチ30分1本勝負
 星輝ありさ(8分20秒/オクラホマロール)岩谷麻優
※もう1人は愛川ゆず季。

 星輝&岩谷に狙われ場外に落とされた愛川だが「行け!」と岩谷をコントロール。星輝の逆エビ固めに使った岩谷にキャメルクラッチを決めた。星輝が手を組むと見せかけて愛川を裏切ると、岩谷に流れ星固め。星輝が岩谷のドロップキックをかわすと、エプロンの愛川にヒットし、愛川はまたも場外に転落する。愛川&星輝のダブルキックをキャッチした岩谷はそのまま前方回転し、2人同時にフォールするもカウント2。愛川が星輝にドラゴンスクリューから足4の字固めを決めると、岩谷は星輝にボディープレスを浴びせた。愛川は岩谷を抱えて星輝にたたきつけると、再び持ち上げて背後に投げ捨てる。岩谷がロープの反動を使い、星輝へのアームホイップと同時に愛川に月面水爆を決めたが、星輝が2人を重ねてリバーススプラッシュ式にフットスタンプ。岩谷が愛川にコルバタを決めると、星輝に絡みついてアームロックを極めた。愛川が2人まとめて転がすラ・ゆずヒストラル。カウント2で返されるとダブルのゆずポンスタナーも決めた。さらに岩谷にゆずポンキック・レッド、星輝にゆずポンキック・ブルーを放つも、星輝がかわしたため、ブルーも岩谷にヒット。ゆずポンキック・レッドをハイキックでカットした星輝がブラジリアンキックを愛川に炸裂させ、倒れている岩谷を丸め込んでフォール。星輝が混戦を制した。

★バックステージのコメント

 星輝「最初はゆずポンからフォールしようと思ったんですけど、なぜか麻優ちゃんに超むかついて。麻優ちゃんにオクラホマをやったら、あんな風に決まりました。ゆずポンキックでグラグラになってから(3カウントを)取ることができました。頭使いましたね。ゆずポンにも負けなかったし、旗揚げ戦で勝った麻優ちゃんにもう一回勝てたから、もう麻優ちゃんには負ける気はしない。ゆずポンからはまだ(3カウントを)取ってないんで、取れるようにまた頑張ろうと思います」

 愛川「難しかったですね。でも、3WAYをやってみて、普段の正確が出るんだなって感じました。麻優は本当に普段からバカ正直で、リング上でもバカ正直すぎて、言ったことをすべて聞いてくれるんですよ。だからやりやすかったです。ありさは目立ちたい気持ちが出ていて、最後は私が決めたかったけど、キックでカットされて決められたので、リングに立つ以上、普段から戦っていくことを意識して生活しないとダメだなって思いました」

 岩谷「3WAYは難しくて、自分がもっと入っていければよかったなって思いました。2人を見てるだけって感じだったですね。そこは前から作戦で考えていた部分ではあるんですが、狙えるところだけ狙って戦わせておけばいいと思ってたんですけど、見過ぎてしまって、仕留められなかったのが敗因かなって。(2人使われる場面が多かったが?)そうですね…」

▼スターダム最強タッグ戦30分1本勝負
 ○高橋奈苗&世IV虎(21分29秒/ナナラッカ→エビ固め)●夏樹☆たいよう&美闘陽子

 世IV虎がフードを取ると現れたのは黒い髪の毛。更正させたい奈苗は嬉しそうな笑顔を見せ、対戦相手と握手をするように促す。世IV虎は夏樹だけ握手をかわす。夏樹が奈苗を指名して先発で対戦。スピードで翻弄する夏樹に対し、奈苗がサイドバスターでたたきつけると、エルボーの打ち合いへ。奈苗が世IV虎を呼び込みダブルのタックルを決め、世IV虎は夏樹にショルダータックルを連発する。夏樹もローキックの連発、ドロップキックでやり返した。奈苗が夏樹を捕まえると、世IV虎のタックルが奈苗に誤爆。その後、ローンバトルを強いられた世IV虎だが、奈苗が声援を送るとタックルで危機から脱出した。奈苗と初対決となる美闘はエルボーを打ち込み、コーナーで蹴りの連打。しかし、夏樹とのダブルブレーンバスターは奈苗に投げ返され、カナディアンバックブリーカー、串刺しボディーアタックを食らう。世IV虎は夏樹にタックル、ラリアット、スリーパー、スイングスリーパーと畳み掛ける。夏樹の低空ドロップキックからラ・マヒストラル、美闘のドロップキック連発でやり返されたが、ダブルラリアットで2人まとめて吹っ飛ばした。奈苗が夏樹に、世IV虎が美闘へ同時にチンクラッシャーを決め、奈苗の延髄斬りをブロックした美闘が、奈苗の胸元にサッカーボールを見舞う。ハイキックはかわされバックドロップを食らったが、二段蹴り、手刀、ミサイルキック、ブレーンバスターと追い込んだ。夏樹もミサイルキックで続き、場外に落としてプランチャ。イグチボムからコーナーに上って「冷蔵庫爆弾!」と絶叫した。これは奈苗が許さず、雪崩式ブレーンバスターで投げ捨てる。世IV虎のセントーン、奈苗の本家冷蔵庫爆弾、バックドロップと夏樹を追い込んだ奈苗はナナラッカは狙ったが、美闘が蹴りでカット。奈苗が美闘、夏樹にラリアットを放つ。夏樹へのサンドイッチラリアットは世IV虎と同士討ちとなり、美闘が世IV虎を、夏樹が奈苗をジャーマンで同時に投げる。さらに夏樹は三角飛び式ムーンサルトアタックを奈苗に浴びせたが、モモラッチは世IV虎のカットに邪魔されカウント2。たいようちゃん☆ボムは潰され、低空の延髄斬りを顔面に浴びたが、ナナラッカは脱出して阻止する。しかし、美闘のハイキックを誤爆され、すかさずナナラッカでたたきつけられると、ついに3カウントが入った。

 奈苗は「いつも世IV虎が親分と慕っている夏樹、見ろ! これが結果だよ。お前、黙って私に付いてこい。一流のプロレス教えてやるよ」と世IV虎に詰め寄ったが、世IV虎はマイクで殴りつけ乱闘に。「てめえ、うちの親分を侮辱するんじゃねえぞ。今回は仁義っつうもので組んでやったけど、自分は親分と組みたいんだよ。高橋奈苗を倒したいんだよ。今日だって何度も息が合わなかったし。自分は夏樹親分しかない。お客さんだって高橋奈苗のメインなんて見たくないでしょ? 次回、自分と親分のシングル。うちらがスターダムで最強なんで、みなさんにも伝わる熱い戦いをしたいと思います。うちと親分がメインの方がいいですよね? このすごい歓声に応えられる試合にしたいと思うので、どうぞ次回もよろしく」と世IV虎が夏樹を連れ、先に退場した。

 取り残された美闘を後押しするコールが発生。「夏樹さんと組んだんですけど、最後全部なくなっちゃいました。じゃあ、自分が締めていいですか?」という美闘に、奈苗は「勝ったの私なんですけど」と譲ろうとしない。しかし、美闘コールは収まらず「私が今、立場がないので私が締めたほうがいいと思います」という美闘が「明日を信じて、未来へ輝け! ウィー・アー・スターダム!」で締めた。

★バックステージのコメント

 奈苗「今日の勝者は私なんですけど…みなさん、おわかりいただけてますかね? チクショー。勝ったのは私だし、世IV虎の可能性を前回感じて自分が思うプロレスをあの子に伝えたかった。自分はプロレスならではのタッグがすごく好きで、人が多くなるから難しくなるけど、私は永遠にプロレスをやり続ける以上、戦い続けていきたい。人が増えればライバルが増える。そこで自分がどう目立つかって考えるのは活きてくる。夏樹6世IV虎が素晴らしいのはわかってるけど、パッション注入シリーズの戦いで充実していたので、世IV虎とタッグを組みたいと思っていたし、パートナーを見つけたいというのもあったんで。今年15周年を迎えるんですけど、新人にマイクで殴られるとは思わなかったですね。リング上はキャリアは関係ないですけど、自分は見つめ直さなきゃいけないきっかけの試合になったと思います。変わっていく風景の中でも置いていかれないように、フレッシュでいきたい。ダメですね。何を言っても説得力がない…ダメダー! 今年は特に燃えてるんで、今日は今日で終わり! 気持ちを切り替えて次に向かっていきます」
 --初対戦の美闘選手の印象は?
 奈苗「あの蹴りがめちゃくちゃ痛かったです。あんなに効くと思ってなくてなめてました。見てるだけではわからなかったですけど、全国2位はすごいなって。でも、自分は女子プロレスで一番なので負けません」
 --世IV虎選手に教えたかったことは?
 奈苗「素というか、今までの不良とかヤンキーとか、過去の栄光にすがってるんじゃねえって…」
 ここで夏樹と世IV虎が乱入。
 世IV虎「おい、いつまでも喋ってるんじゃねえよ!」
 奈苗「まだコメント中だよ」
 夏樹「誰も聞きたくないから」
 2人がコメントスペースから奈苗を追い出す。
 奈苗「無礼すぎるだろ! 私がコメントを出してるんだから」
 世IV虎「なげーよ」
 奈苗「は? 何だこれ?」
 奈苗は控え室へ。
 夏樹「あぁ。悔しい」
 世IV虎「自分があんなヤツと組んだのが間違いだったんです」
 夏樹「世IV虎は金髪の方が世IV虎らしいと思うよ」
 世IV虎「おかしいですよ。人に黒にしろって言って、あの人は金髪って」
 夏樹「次はシングルだけど、スターダムで最高な試合をできるのはうちらだけ。最初は離されて嫌だったけど、当たってみて改めて絆が深まったって言うか、そんな感じなので、次の大会はうちらがメインでね。あの大歓声がね」
 世IV虎「うちらがメインじゃないとダメって言ってました」
 夏樹「自分は同じ団体だからって奈苗さんを倒せるチャンスが何度もあると思ってないです。SUNの時に一回だけシングルで勝ったことがあるんですよ。でも、まぐれとしか思われなかったし、一回じゃ何も変わらなかった。うちらの世代を見ても、あゆみが田村さんに勝って、華名が里村さんに勝ったりしてたけど、やっぱりそれだけじゃプロレス界は何も勝っていかない。上を倒すことよりも、うちらの世代が戦っていかないと変わらないんじゃないかって思ってました。でも、スターダムに入って変わりました。倒すのは奈苗さんしかいないし、世IV虎、陽子、ゆずポンの方があいつら(うちらの世代の選手)よりすごいと思うし。次にゆずポンがあゆみと戦いますけど、ゆずポン勝っちゃうんじゃないですか? 自分も次に奈苗さんから勝つ時は絶対にまぐれと言わせないし、時代が変わる時、トップを取ることだと思ってるんで、絶対に諦めません」
 --美闘選手と組んだ感想は?
 夏樹「奈苗さんとの初対決でいつもよりは思いっきり蹴ってるのを見て、やっぱり潜在能力はすごいなって。まだまだ先を見てみたいと思いました。でも、今日、自分はシングルのつもりでやっていたので」
 --奈苗選手と組んで
 世IV虎「やっぱり自分と親分が離されたのが悔しい。10日の試合で自分が負けたので仁義を通すために組んだけど、やっぱり親分と組んで試合をしたいし、高橋奈苗は組むじゃなく戦って倒したい人ですね。それがわかった」
 --一流のプロレスを教えてやると言われたが?
 世IV虎「あの人と同じスタイルにはなりたくないんで。自分は自分でコツコツ見つけていきたいです。次の親分とのシングルでも戦うけど盗めるところは盗んで自分のものにしていきたいと思います」

 美闘「奈苗さんはひとつひとつがパワフルで、パワフルな技を体で味わいました。奈苗さんは15年、自分は1年も達してないですけど、本当にすごい方だと思いました。自分が全然成長していないので、本当にいいところ(のレベル)で戦えるように頑張ろうと思いました」
 --奈苗選手は蹴りを評価していたが?
 美闘「でも、倒れなかったので。一撃で倒せるように磨いていきたいと思います」
 --試合後は3人の争いに置いていかれてました。
 美闘「私がタッグを組んでいたのに、夏樹さんは世IV虎とってなってしまって。今でも何なのかわからない状態ですね。夏樹さんと一緒に奈苗さんを倒そうと思ってたんですけど、夏樹さんの気持ちの方が強くて負けてしまってましたね。シーズン2が始まったのにいい戦いができなかったので、体作りからしっかりやり直さないといけないです。奈苗さんを見習って頑張っていきます。体もメンタルも鍛え直します」