
新日本プロレスのタイチ(45)が、〝幕内復帰〟から大記録樹立への思いを明かした。

タイチは15日大阪城ホール大会で、石井智宏と組みIWGPタッグ王者のグレート―O―カーン&カラム・ニューマンに挑戦する。4月広島大会では内藤哲也&高橋ヒロムの師弟タッグに勝利。「(退団した)内藤に最後に勝った男であり、最後に泣かせた男だから。ついでにデスティーノを最後に食らった男にもなっちまったけど…。まあ後のことは俺らに任せて、安心して自分の活動をしてもらいたいと思ってる」とベルト奪取を誓う。

オーカーンからは「内藤がいなくなって席が空くからやる気を出しているようでは遅すぎる」として「窓際族」と挑発を受けた。これに対し「全然席待ってるつもりなかったけどな。この1年、もう1回幕内復帰を目指して必死にやってきて、自分からチャンスをつかみに行ってたし。『NEW JAPAN CUP』でも試合内容で(インパクトを)残してきたつもり」と反論する。
好角家らしい「幕内復帰」の表現は、昨年出場がかなわなかった「G1クライマックス」(7月19日、札幌で開幕)の舞台への返り咲きを意味する。そのためにも大阪城決戦は譲れない。「G1に出られるのか、今回が最後のアピールになるかなと思ってる。組むのも石井だし、去年出てない2人で出ていた人間たちに勝てば文句のつけようがないんじゃないかなって。もちろん最近IWGP世界ヘビーに挑戦したカラムを狙った方が面白くなるだろうし」と必勝を義務付けた。
G1出場にこだわる理由の一つには、長州力の持つ最年長優勝記録(44歳8か月)の更新という一大野望がある。折しも「ベスト・オブ・ザ・スーパージュニア」では藤田晃生が最年少優勝を成し遂げたばかり。タイチは「藤田がやった逆をやりたいなと。最年少優勝が出たから、大の里の記録ずくめの横綱昇進でも熱くなったしね。俺も真逆の方向から挑戦できる記録というものがあるならやってみたいなと」と言い切った。
これまでは世代交代にあらがう発言が目立っていたが、最近は心境の変化も生まれつつあるという。「オッサンが盛り上がれば若いのも盛り上がるんだから。無理に『俺たちの時代だ』とか言わず、みんなで力を合わせて建て直していくべきなんじゃないかな。今の新日本プロレス、世代で分断している場合かって。足元見て、みんなで上がって行くべきだと思うようになったよね」。譲れないプライドを胸に、タイチが大阪城決戦に向かう。