新日本プロレスの高橋ヒロム(35)が、がんで闘病中のみちのくプロレス・フジタ〝Jr〟ハヤト(38)にゲキを飛ばした。

 東京・後楽園ホールで13日に行われたハヤトのプロデュース興行に出場したヒロムは、卍丸と組み、拳剛&Ken45°と対戦。パートナーの卍丸にガン無視されて悲しげな表情を浮かべたヒロムだったが、拳剛と対峙すると超強烈なチョップ合戦を繰り広げ、会場を沸かせた。

 15分過ぎ、拳剛にダイビングフットスタンプをくらい、さらに敵軍の2人にサンドイッチ攻撃で劣勢になる場面も。だが、拳剛のフロッグスプラッシュをヒザで迎撃して流れを奪回する。それまで微動だにしなかった卍丸のアシストを得ると、息ぴったりのトラースキックを拳剛にお見舞い。最後はヒロムがKEN45°にTIME BOMBⅡを決め3カウントを奪った。

 試合後には拳剛から、共闘して東北タッグ王座挑戦を呼びかけられる一幕もあった。答えに悩んでいると、コスチューム姿で現れたハヤトから3分間のエキシビションマッチを要請され、これを快諾。2024年1月4日の東京ドーム大会にサプライズ参戦した試合を最後に、再発したがん治療のため欠場に入ったハヤトと急きょ、シングルで激突することが決まった。

ヒロム(奥)に3分間の対戦を要求したフジタ〝Jr〟ハヤト
ヒロム(奥)に3分間の対戦を要求したフジタ〝Jr〟ハヤト

 23年10月の一騎打ち以来1年8か月ぶりにハヤトと対峙したヒロムは、容赦なく強烈なチョップを打ち込んだ。それでも立ち上がるハヤトに頭突きをくらったヒロムは、不敵な笑みを浮かべて再びチョップを繰り出す。3分間、互いの力を確かめ合い、時間切れ引き分け。試合後には抱き合い、健闘をたたえ合った。

 マイクを持ったヒロムは「ハヤトさん、俺、あなたとやったシングルマッチが忘れられないんだよ。エルボー、ヘッドバット、キック最高に効きました。でも、あなたがもう一度みちのくプロレスで完全復帰するまでは、アンタの蹴りをくらって倒れるわけにはいかねえんだよ」と言い放った。

 その上で「でも、最高でした。頑張り過ぎてるあなたには失礼かもしれないけど、お互いに頑張りましょう。そしてもう一度このリングで戦ってください。約束です」と呼びかけリングを後にした。

 バックステージでは「正直、今どんな状態か知ってる俺からして、ハヤトさんと3分間やるだけでも正直ビビっちゃった。怖かった。でも、それはプロとして失礼だと思ったからやりました。だからハヤトさん、俺に怖さを忘れさせるぐらい、完璧な状態で帰ってきてください。じゃないと俺は本気出せないですよ」とゲキを飛ばした。

 そしてリング上でハヤトから「高橋ヒロムに勝つ」と宣戦布告された言葉に対し「『俺に勝つ』って言ったよな? そんな簡単な話じゃないぞ。完璧な状態でも俺には勝てないだろ。完璧以上、最強になって帰ってきてもらわないと、思いっきり打てないからさ」とニヤリ。

 最後には「ハヤトさん、やっぱり俺はあなたとやるのが最高の楽しいです」と言葉を残し、控室へ消えていった。